たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2013.5.14 東京の最高気温が30℃近くまで上がった。11日に高尾山の麓に行ったときは、黒系アゲハの集団吸水に全く遭遇せず、この日また行ってきた。 早く自宅を出たいのはやまやまだけれど、そうもいかず、また到着は10時過ぎ。昨年、一昨年とミヤマカラスアゲハを含む黒系アゲハが吸水していた場所に行くが、この日も道路に水が浸み出していなかった。前々日雨が降っているので大丈夫かろ思ったが、どうやらここは吸水ポイントではなくなったらしい。ウスバシロチョウは相変わらずあちらこちらで飛び回っていた。 少し開けた場所では必ず飛んでいた。 思ったとおりチョウに近づくことができず、諦めの心境。林道を登ることとした。とまってくれるウスバシロチョウはどうやらメスのようだ。黒っぽいのが多いが古いのか黒いのかよく判らない。道路にトラフシジミがとまったがこれからというときに車が来てしまった。サカハチチョウはとても少ない。とても敏感ですぐ逃げられる。ツマキチョウが飛んでいるのをたびたび見かけるが、とまったと思ったら産卵していた。 サカハチチョウは少ないが、コミスジは多い。これも敏感で思ったように撮らしてくれないが、出会うたびに一応挨拶がわりにカメラを向ける。個体は違うが、同じポーズ。このアングルは好きなアングル。 相変わらずウツギは満開だったが、アオバセセリは見つからず、黒系アゲハも吸蜜していなかった。ただ、オナガアゲハはとても多いが、時間帯のせいかウツギには来なかった。そんなとき、ヒョウモンチョウが飛んできた。クモガタヒョウモン。遠いが、これが初見で初撮影。すぐいなくなってしまったが・・・ アゲハも撮れず、このまま帰るのもなんだし、ということで、林道のウスバシロを撮る。コミスジが絡んできたところも偶然撮れた。 そのとき、オレンジが路上に舞い降りてきて吸水。白点からクモガタヒョウモンのメスらしい。マクロで撮影できたのはラッキー。 土の上、好みではないが、全部で5ショット撮影できた。とても綺麗な個体だった。 ウスバシロチョウを撮っていたとき、摺れたコツバメがやってきたが、ピンボケ。嬉しかったのは、ヤマトシジミの白メス、という名前はないけれど、青というより、ウラゴマダラシジミのような薄い青。前翅の翅脈は黒っぽい。 ウスバシロチョウがいなくなったので、17-50ミリを55-300ミリに付け替えた直後、道路脇の薄紫の花にカラスアゲハの綺麗なメスが吸蜜を始めた。距離が近すぎたが何とか撮影、したと思ったら、撮影モードがマニュアルのまま。モニターで見ると真っ黒。距離だけしかオートに戻していなかった。その後、林道を下り、広場のようなところに出たら、オレンジの煌めき。急いで近づく。逆光だが、クモガタヒョウモンの今度はオス。 近づいたときと飛ばれてしまったが、離れたところで吸蜜。翅を開いたり閉じたりしていた。慎重に近づき、ズームで押さえ、さらに近づきマクロで1枚撮ったところで、本格的に飛ばれた。うーん、残念。マクロの画像、細部は写っているけれど背景がうるさかった。 とぼとぼと林道を下る。途中のウツギ(マルバウツギ?)にカラスアゲハとオナガアゲハ。オナガアゲハは半分壊れていたが、すぐ近くにコジャノメ。どうやら、3時ころに黒系アゲハの午後の吸蜜タイムがあるような気がする。ただ、薄暗いのできちんと撮影できない。林道の出口には、イチモンジチョウとアオスジアゲハ。さらに、ヒョウモンがいた。ヒョウモンがいたのは立ち入り禁止のフェンスの中。10分ほど、こちらに近づくのを待っていたところ、ツマグロヒョウモンだった。このおかげで、1時間に1本のバスに乗り遅れ、駅まで1時間も歩くはめになってしまった。 黒系アゲハの集団吸水には出会わなかったが、想定外のクモガタヒョウモン、初めてのチョウなのでなんか得した気持ちになった。アオバセセリにはついに遭遇しなかったけれど、林道で会った方の話によると、午前中にはウツギにいたとのこと。ただ、ミヤマカラスアゲハは全然見ていないらしく、例年より厳しい感じだ。この日もずいぶん歩いた。特に珍しいチョウがいるわけではないが、結果的には色々なチョウに出会えた。すがすがしい新緑の季節、歩くだけでも楽しかった。 P.S. 暗い林道にセセリが下りてきた。コチャバネセセリだったが、獣糞を吸っていると思ったら、死んだ蟹を吸っていた。右隣は蛾か何かの死骸だが、踏み付けられたようだ。
by otto-N
| 2013-05-15 20:04
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Comments(15)
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Shin
at 2013-05-15 20:33
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クモガタヒョウモンにピタリだったようですね
まだこの地でクモガタを撮ったことがありません
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yoda-1 at 2013-05-15 22:31
これは盛りだくさんで、楽しめましたね。
特にクモガタ♀雌がもう出ているのかと感動ものです。 初めてだったのですか? それは脳内物質がたくさん出たと推測します。 今年はアゲハ類が少なめで、サカハチも少ないような・・・。この3月・4月の不順な寒気が影響したのかな?? 異種バトルの画像はお見事です。
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otto-N
at 2013-05-16 09:31
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Shinさん、クモガタは初めてだったので確証が得られず、自宅で調べました。
この日は、合計5回も見たことになります。最初の1回は林道の入り口だったのでツマグロの可能性はありますが。 とにかく1昨年、昨年と見たことすらなかったのでビックリです。
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otto-N
at 2013-05-16 09:36
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naoggioさん、クモガタは初めてでした。この時期、山の中でヒョウモンを見ると新鮮ですね。
花の上での開翅を撮りたかったのですが、それは贅沢というものでしょうね。 このヤマトのメスは、結構マジに追いかけました。ちょっと珍しい色かもしれません。
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otto-N
at 2013-05-16 09:47
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yodaさん、そのへんにいるチョウを片っぱしから撮っていくと、盛りだくさんになってしまいます。
クモガタは初めてだったのですが、土の上のせいか、脳内物質の分泌はありませんでした。 このときは5回、冷静にシャッターを切りましたが、その前の頭上のクモガタは本当の初見で10枚。このときは脳内物質は上昇していたと思います。 毎年、チョウの状態、植物の状態が変わるので、自然の中を彷徨すること自体が楽しいのかもしれませんね。 異種バトルは、飛翔撮影の練習中のたまたまです。
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otto-N
at 2013-05-16 09:55
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旅友さん、この林道の先までは行ったことはなく、1時間ほど歩くとウツギがたくさん咲いている場所があり、そこまで行って引き返しています。
今年は、昨年よりチョウの数が少ないようですが、それでも楽しい場所です。 クモガタヒョウモンは、狙っていたわけではないのでビックリしましたが、初めてだったので、とても嬉しかったです。
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otto-N
at 2013-05-16 10:01
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HOUNOKIさん、確かに「撮影レポート」ですね。
普通種ばかりしか撮っていないのですが、それなりに撮ることが楽しいようです。 以前の仕事は、民間の研究所で理科の実験のようなことをやっていたので、実験結果の報告書みたいな感じになってしまいます。 半分、言い訳ですが・・・
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otto-N
at 2013-05-19 18:00
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Akakokkoさん、クモガタヒョウモンのように、広範囲に薄く分布しているチョウは、なかなか出会う機会がないように思います。
この日は複数頭を見ましたが、それぞれ距離的にはかなり離れており、すぐ飛んで行ってしまい、1か所にはあまり滞在しないチョウのように思えました。
はじめまして。TELと申します。
突然で申し訳ないのですがウスバシロチョウは6月でもまだ飛んでいますでしょうか?少し調べたのですが撮影は5月頃が多く、いつ頃まで飛んでいるのか不安になりました。 大変恐縮ですが、お返事いただけたら幸いです。 私事ですが蝶には関心がなく、小説に出てくる蝶がたまたまウスバシロチョウでしたが、 otto-N様の写真を拝見しまして、撮影技術と蝶に魅せられ感動しました。
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otto-N
at 2013-05-21 20:04
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TELさん、ウスバシロチョウは、関東付近では5月いっぱいまでだと思います。
その後は、北へ北へと移り、長野では6月中旬、北海道では7月と場所によります。 チョウ写真はすごい方がたくさんおられ、私はまだまだ駆け出しです。
5/20にコメントいたしましたものです。
なんとか撮ることができました。本当にありがとうございます。
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