たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2013.6.27続き Tさんが撮影していた全開翅のキマダラルリツバメは、ちょっと擦れていたが、よく見ると変。青色がほとんどない。とても珍しいとのこと。日射しが強くて細かな傷が白く反射するけれど、なかなかシブい。新鮮だったら綺麗だろうなと思いながら撮った。尾状突起が1本欠け、傷が多いのは強い証拠。他のオスを追い払った後のようで、悠然として翅を拡げていた。 一度飛び去り、舞い戻ってきた後、しばらく翅を閉じたままだった。これを見て、Tさんはこれは珍しいH型だとおっしゃる。それも、Hが2つダブルH型。肛角の橙紋の色も薄いそうだ。このときは、裏面の模様まで詳しくは知らず、とにかく貴重な個体ということは理解したので、飛び立たれないように丁寧に撮影した。 そのうち、開翅するそぶりを見せたので、少し前方に寄り、開翅するのを待った。 なぜか、半開から全開の間を撮っていないが、とにかく開いた。そして、飛んでいった。 この黒化型のいたのは、昨年までのメイン・ポイント。残念なことに、春に失火があり、キマダラルリツバメが吸蜜に来ていた小さな栗の木は消失したそうだ。でも、すっかり緑に覆われて、今年もテリ張りポイントとして健在で一安心ということです。WH型に飛び去られ、元のポイント(シダの茂み)に戻ったのだけれど、その間にもう一度来てみると、WH型はおらず、その代わり右前翅が少し欠けたこの個体が来ていた。WH型はバトルに敗れたらしい。4コマ目、真後ろに立つと日陰になったが、全然逃げない。 シダの茂みに戻ってみると、残っていたのは、さきほどの尾状突起が1本欠けた個体。夕日に照らされたこの日のチャンピオン。 ときどき、とまる場所を変えるものの、悠々とした風情。近づいてもびくともしない。日陰でのルリ色が美しい。 なかなか前から撮らせてもらえなかったが、この一瞬だけ撮れた。 何度か翅をゆっくり開くシーンがあった。まず、日陰で。 日陰のブルーはちょっといいかもしれない。 そして、夕日を浴びながらの開翅。 日の影が長くなってきた。もう真後ろに立っては、陰になるので撮影できない。 日の光もだいぶ赤っぽくなってきた。そろそろ祭りも終わり。ヒメもキマリンも。 この場所が一番のお気に入りのようだった。ときどき場所を変えてもここへ戻ってくる。 ザックに広角ズームが入っているのを思い出し、初めて撮ってみた。 テリ張りバトルに勝ち抜いた先に見えるものは・・・ テリ張りバトルが始まり、最初の1枚を撮ったのが15:26、徐々に日が傾き、最後の1枚を撮ったのは17:27。撮った枚数は433枚。傷いたオスしか残れない壮絶な戦いだった。生徒1人のキマルリ観察会、Tさんほんとうにありがとうございました。 (前日と同じ民宿に泊まった翌日、雲が少しあるものの晴れ。帰る前、街中でヤマトシジミを少し探したが、飛んでいるのは摺れたヒメシジミばかり。カタバミはキマリンのポイントには少し咲いていたが、街の路地裏にはまるでなかった。東北にはまだ1化目も出ていないのかもしれない) (追記) 今回は、JRで行き、現地で1泊し(雨が降ったため、実際には2泊だったが)、翌日の朝に帰るというスケジュール。テリ張り時間は夕方から日が沈むまで。この町に泊まる所はないと思っていたけれど、温泉宿もあり、駅から現地まで徒歩可能であることがわかり、珍しく遠征となったわけです。泊まるとなると、帰る時間を気にすることなく、最後まで撮影できます。翌朝に帰りましたが、頑張れば、翌日の15時すぎまで撮影可能です。富士山の弾丸登山ではないですけど、ここには温泉もあり、たまにはゆっくりするのもいいと思います。山の中に残されたいい町です。そして、Tさんのお店で、お蕎麦とキマリンの話を味わってください。
by otto-N
| 2013-07-04 14:14
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Comments(6)
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thecla
at 2013-07-06 21:34
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キマリン撮影おめでとうございます。
黒化型のダブルH型なんてダブル役満みたいですね。遠征と延泊の甲斐がありましたね。
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otto-N
at 2013-07-06 23:04
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theclaさん、ありがとうございます。
雨が降って延泊、翌日15時にも出てこなくて焦りましたが、ハイテイツモのそれもドラドラでした。 麻雀は44年してないので、用語はこれでよかったかな? とにかく、夕日で少し黄色に染まったキマリンが撮れました。
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otto-N
at 2013-07-07 17:17
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Favoniusさん、キマダラルリツバメのブルーは、思った以上に深さがありました。
光の当たったときの輝きと、日陰のブルー、どちらも艶めかしいです。 広角は、真後ろだと影になるので、撮る位置が限られてしまいました。今思うと、もっと青空が入る位置があったはず。少し悔やんでおります。
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otto-N
at 2013-07-08 14:23
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みき♂さん、この場所のキマリンは、どうやら望遠レンズは必要なさそうで、ゆっくり近づきマクロで撮れます。
広角で撮るなんて考えていなかったので、ちょっとしか撮っておらず、今思うと失敗でした。 撮影もさることながら、最後の1頭になるまで、じっくり観察してください。とても面白かいですよ。
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