たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2013.7.19 すっきりとした青空、すがすがしい朝だった。この日は、栂池まで行き白馬乗鞍岳(2436m)に登る。 晴れていたのは山麓だけのようだった。アルプスの方を見ると、雲で覆われ山頂は見えない。それでも、栂池のゴンドラに乗ったときには、一瞬、白馬岳のほうが見えた。写真を撮ろうとして、ザックをあけたら、カメラを間違えたことに気がついた。山歩きのときは、重いので18-135ミリズームをつけた1台だけ。ところが入っていたのは、100ミリマクロをつけた方だった。1台のときは、55-300ミリズームをレンズだけ持ち歩くことにしている。しかたがない、景色は300ミリズームのワイ短で撮るか。 ゴンドラから見えた山影。すぐ、また雲で覆われてしまった。 ゴンドラ駅を降りたら、回りは明るいものの薄いガスの中、20分に1本のロープウェイに乗って、栂池自然園に行く。登山口はこの脇(標高1900m)。9時10分、よく整備された登山道を登り始める。景色は薄いガスで見えないので、花撮りのためマクロに付け替える。唐松岳と同じような花が現れる。 オオベニミゾホウズキ、ツマトリソウ、サンカヨウ、〇〇スミレ(→ミヤマツボスミレと判明しました)。ツマトリソウはとても多かった。 イワイチョウ(ミツガシワとの区別できず)、ギンリョウソウ、アカモノ、イワカガミ。 ミツバオウレン、ツマトリソウ、タテヤマリンドウ、ショウジョウバカマ。 タテヤマリンドウのあったのは、天狗原という湿原。そこをすぎたところにショウジョウバカマがあったので、雪渓があるかもと思っていたら、最大の難所。急な雪渓だった。先客さん、軽アイゼンをつけているにもかかわらず手こずっているようだった。我々は、北海道育ち。足の裏が多少滑っても全然平気。といっても、ここで事故ったら装備不足での避難は免れない。雪渓の途中から上は晴れ、下は雲海。2コマ目は天狗原湿原。 雪渓を抜けだした後は、だらだらとした登り。その登り出しに咲いていたハマナス、ではなくタカネバラ、不明の白い花、花弁のとがった黄色い変な花かと思ったが、キンポウゲの散りかけのようだ。結構マジで撮ったのに。 少し登ったところで、スレスレのコヒオドシみたいなチョウが飛んでいた。結構素早い。とまってもすぐ飛んでしまう。やっと落ち着いたところで、近づくと、正体はタカネヒカゲだった。このときは300ミリズーム、数回シャッターを切ったとき飛ばれてしまった。 他にもいないかと探しながら進むが、見つからなかった。でも、妻の足元から赤いものが舞い上がり、ハイマツの茂みに潜り込んだ。妻は赤い蛾と思って、踏みつけるところだったと言う。なんともったいないことを・・・ 山頂へ着いたのは11時20分。記念写真を撮り、お昼を食べ、白馬大池まで少し降りて、つまんなさそうなので山頂へ引き返した。実は、もう少しタカネヒカゲを探したかった。しかし、見つからず。山頂は気抜けするほど平だった。そこからの景色も間延びしている。 向こうに見える岩山は、白馬岳?よくわからない。 タカネヒカゲを探しながら下山開始。いたのはゴマダラカミキリ(斑点が細かい気がするが) → 鍵コメさんからコメントをいただき、シラフヒゲナガカミキリと判明しました)、とクジャクチョウ(妻は目ん玉チョウという)。 雪渓を登っていたとき、どうやって妻を降ろすかを考えていた。ロープがあるので、後ろ向きで降りることを指示し、なんとか無事降り切った。天狗原に出て、雪渓を見上げる。朝はガスの中だった。 ベンチで休んでいたとき、目の前にあった湿原の2大風物詩、チングルマとワタスゲ。 チングルマの新鮮な花もまだあった。 300ミリズームのワイ端55ミリで撮り、パノラマにつなげるのは苦しいものがあった。 ゴンドラの切符には栂池自然園の入場料も込みだったので、入園した。昨年来たのは6月末だったので、まだ雪で覆われていたが、今回はほとんどなく、歩くのが楽。 ハクサンチドリ、キンポウゲ?、オオバタケシマラン、ミズバショウ。 カラマツソウ、蕾はピンクでかわいい、ミヤマカタバミ、タテヤマリンドウ。 ニッコウキスゲの群落。 大型の花。ニッコウキスゲ、キヌガサソウ、サンカヨウ、シラネアオイ。 残雪と緑、そして漂う雲がとても綺麗だった。一番右が昇ってきた乗鞍岳。 帰る途中にいたヒメキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲ。白樺の幹にヒオドシチョウが翅を拡げたが合焦が間に合わず撮れなかった。それと、ナナカマドの花にクジャクチョウが吸蜜していたのも撮れず、悔しいものがあった。 ホテルに戻るのが遅くなったけれど、日課となったゲレンデに行った。ウラクロは飛んでなかったが、ルリタテハはテリを張っていた。いつもとまる石の近くで待っていると、翅音までも聞こえ、汗ばんだ肌が風圧を感じた。
by otto-N
| 2013-07-28 12:04
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Comments(8)
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at 2013-07-28 13:21
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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otto-N
at 2013-07-28 19:19
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鍵コメさん、花とは違い、カミキリの名の調べ方がわからず、実は、どなたかに教えていただくのを待ってました。
シラフヒゲナガカミキリ、コメツガ、モミ、トウヒなどの針葉樹の枯れ木につく一般的な大型カミキリのようですね。 早速、訂正させていただきます。 ありがとうございました。
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こんにちは。
otto-Nさん、健脚ですね。恐れ入りました。 高山植物、楽しませていただきました。 イワイチョウで合っていると思います。 白いスミレは、ミヤマツボスミレかもしれません。 昨年夏に白馬のお土産店で買った「白馬 八方尾根の花」というポケット図鑑に似た花が載っていました。
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otto-N
at 2013-07-29 12:50
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みき♂さん、高山植物を撮りながらの登山は結構きついです。
ぎりぎり屈みこむのと、シャッターは息を止めて、ですからね。 ミヤマツボスミレ、ありがとうございました。 八方や栂池で売っているペラペラの写真集には載っていなかったような・・・
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otto-N
at 2013-07-29 12:56
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HOUNOKIさん、やはりそうでしたか!
高山植物は山登りの最大の楽しみですからね。 花の写真は、チョウより難しいところがあります。 背景がぐちゃぐちゃだし、やったと思ってPCで見ると、花弁に虫食いがあったりして。 動かないので言い訳が効かないことが最大でしょうか。
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kmkurobe at 2013-07-29 16:53
今年は残雪が多かったようですね。
例年の倍近くの距離雪渓が残っていたと聞きました。 乗鞍岳のタカネヒカゲは個体数が少なくてなかなか出会えないようなので良かったですね。 またここのコヒオドシは超珍品で多分ほとんど記録が無いはずですよ。
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otto-N
at 2013-07-29 18:17
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kmkurobeさん、色々ありがとうございました。
雪渓のことは頭になかったのですが、私にはあの大きな岩の道より楽でした。 タカネヒカゲは、ここでもまさかと思いビックリしましたが、けっこう素早い飛び方ですね。 ”コヒオドシ”は表現があいまいでした。すみません、”コヒオドシみたいな”に直します。
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