たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2013.7.20 白馬滞在の最終日。朝からよく晴れ、白馬に来てから一番の天気だった。運よく、登った2つの山で、タカネヒカゲを撮影でき、満足といいたいところだったけれど、本命はジョウザンミドリシジミ。北海道の子供時代、チョウ採集にハマったきっかっけがこのチョウだった。北海道では裏の山はミズナラの林。ゼフはどこにでもいた。ところが、リタイア後にチョウ撮影を始めてから、ポイントもわからこともあり、ゼフの撮影のために出かける機会がなかった。白馬に行けば、山登りの合間に撮影できるだろうと計画したのだが、あいにく、今年はゼフの発生がとても早かったらしく、山麓ではスレ個体しかいないようだった。そこで、少し標高のあるスキーゲレンデに行くことにした。スキーゲレンデは、ミズナラなどの広葉樹の林を切り開いて造成されている。熱烈なスキーヤーであるけれど、夏のスキー場はやはり醜悪だ。 上のゲレンデに行く前に、毎日、夕方に行っていた場所に寄った。両脇が広葉樹に挟まれた連絡コース。下草がススキ。おそらく、朝にはジョウザンがテリを張っていると睨んだ場所だ。着いてみると、早速、目の前にジョウザンが飛び出した。とまって翅を開くが、やはり、輝く鱗粉はもはやわずかしか残っていない。10mほど離れて、何頭かそれぞれテリを張っているようだった。少しは綺麗な個体を選ぼうとしたのだが、もうムリな話だった。 ススキの葉の上では、赤いセセリも日を浴びていた。ヒメキマダラセセリ♀、コキマダラセセリ♂?。 標高が高ければ、少しはいいかもしれないと林道を登る。お目当ての場所に入ったところ、すぐに見つかった。低いところにとまったので近づいてみると、低いところで全開していた。近づくと影に入ってしまう。真上から撮れる。後翅も輝く位置を探すと、どうやら、真上ではなく、少し頭に寄った位置からが輝くようだ。前々日、別荘地の地べたで撮ったときも、そうだった。この場所は、お気に入りと見えて、スクランブル発進した後も、ここへよく戻ってきていた。 ピカピカの個体とはいかなかったが、この位置では、よく輝いた。 目より下の位置では、ススキ以外にもとまったが、みな同じような写真にしかならなかったので(全開だと傷が目立つということもあるが)、ちょっとだけ開いたところを狙った。 日が高くなるにつれ、全開しなくなったけれど、目の前でマクロで撮れるというのは嬉しい。 ときどき、スクランブルをかけていた相手。10mほど離れたところにテリを張っていた。かなり傷んでいた。後で調べると、ここは標高1500m。まだ、低かったのかもしれない。 ジョウザンの他の個体を探していたが見つからず。しかし、新鮮なヒメシジミ。少し標高が高いだけのことはあるようだ。 近くには、コヒョウモン?がときどき飛んできた。 クガイソウに集まるヒョウモンを撮っていたとき、スジボソヤマキチョウを見つけた。逆光のほうが格段といいようだ。吸蜜しているときは鈍感だが、花を離れ下草で休んでいるときはまるで、近寄らせてもらえなかった。 クガイソウには、コヒョウモンの他、ウラギンヒョウモンが来ていたが、新鮮なものは少なかった。 10時30分、約束の時間になったので、晴れ上がってのっぺりした白馬三山を撮ってから山を下りた。山は雲がなければつまんない。 山を下り、ペンション街に差しかかかったとき、スジボソヤマキチョウが吸水していた。あまりじっとしていなかったので、テキトーに撮った。なんだ、山の上でなくても、こんなところにいるんだという感じ。実は、このチョウに会うのは、この日で2度目、山の上では結構感激していたのに。 ホテルに戻り、後は帰るだけ。途中入ったなんの変哲もない蕎麦屋は美味しかった。高速に入る前、安曇野インターのすぐそばにある田淵行男記念館に寄る。そこにいたホシミスジ。 下の叢に下りてきたのも撮れた。ホシミスジもこれで2度目なのでちょっと嬉しい。 白馬滞在中に実際に歩いた距離は、標高差で合計約1800m。すべて、ゴンドラとリフトを使った山登りだったので、登った山の標高の割にはとても楽だった。1月に故障した左膝は、ハード・サポーターのおかげでなんともなかったし、4連泊したホテルもちゃんとした温泉があり、食事もそこそこ良かった。(ホテルは、計120歳超のシルバー割引) 北アルプスの山は、当然、素晴らしかったが、白馬山麓の梅雨の時期、もっと長く滞在したいものだ。ゲレンデの周りをふらついたら、毎日が新発見の連続になりそうだ。ジョウザンミドリは擦れていたけれど、どんな所でテリ張るのか判っただけでも満足だった。
by otto-N
| 2013-07-29 12:41
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Comments(2)
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