たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2013.11.19 前日は暖かかったけれど、この日は少し気温が下がり、1日中関東地方は晴れとの予報。房総半島のルーミスの谷間に行く。自宅から1時間40分で到着。現地に近づくにしたがって雲が増えつつあったのが気になっていたのだが、到着するころには太陽は隠れてしまった。フリースとウィンドブレーカーを着ても、少し寒いくらいだった。こんな天気で出てくるわけがないと思いつつ、日が射すのを期待して、谷間をうろつくものの、10時半になっても同じ状態。諦めて別な所を探すかと、車の所に戻ったら太陽が出て来た。谷間に戻ろうと思ったが、心当たりの林道に移動した。車を運転中、晴れてきた。 最初のポイントは、全くダメ。ムラサキシジミもいない。晴れるとともに風が少し出てきて、気温は上がらない。林道をほっつき歩き、これがイチイガシだろうかと思われる木を探す。何か所かでそれらしいドングリの木を見つけたが、気配なし。もう今日はダメと思って、ふと上を見ると、ほとんど日陰の葉の上にルーミスシジミがいた。葉の上を少し移動し翅をスリスリしていたが、一度も閉翅を撮ったことがないので、ありがたく撮らせてもらう。マクロでは少し遠かったので、枝を引き寄せ、何枚か撮ったが、暗くてピンボケの連発。最後、枝を離したときに飛ばれた。 上にとまったのでしばらく見ていたら、翅を開き始めた。少し温まったと見え、別の葉の上に移動。よく見たら、その右上にもう1頭とまっていた。けれど、ちょっと遠すぎた。 そのうち、上の方に行ってしまったので、林道を先に進む。チラチラ飛んでいたのがとまったので撮るとムラサキシジミだった。でも、こういう葉の上での開翅はワイルドで美しい。 そして、朝に行ったルーミスの谷間に似た環境のところを見つけた。いかにも蛭が出そうな苔むした谷間。一番底は川。そこにはルーミスが3頭ほど同時に飛び回っていた。でも遠かった。そして、風が強くなったせいか、いなくなってしまった。それでも待っていたら、少し先の枝にとまり、風にあおられながらも開翅した。でも、写真は白とびしてしまった。 結局、マクロ撮影できたのは1頭だけ。諦めての帰り道、先ほどのドングリの木に行くと、えっ、同じ葉の上、ルーミスがいた。この葉は、真ん中あたりが虫食いになっていて白くなっていた。翅裏は虫食い跡の保護色になっているのかもしれない。また枝を引き寄せたら、葉に触れてしまい落下して、一度地上に降りたがふらふらしながらも、近くの葉にとまった。日が当たっていたので、ひょっとしたらと思って見守っていたら、おずおずと・・・。 しばらく、日を浴びていたが、急に飛びあがりロスト。十分体が温まったと見えて、飛び方は落ちた時とはえらい違いだった。この個体、裏翅の模様から見て、冒頭の個体と同一のようだった。 日に当たっている別の樹を見ていると、飛び回っていたものがやっととまり、一瞬翅を開いた。かなり遠かったが、ルーミス。 天気予報では、この日以降の中で一番いい快晴だったのに、現地へ行ってみると曇り空で本命のポイントを諦めた。そのうち晴れてきたので、ダメ元で他の場所をうろついた結果、ルーミスシジミを見つけることができホットした。一昨年はよかったけれど、昨年は全くダメだった。今年は豊作かもしれない。
by otto-N
| 2013-11-24 20:18
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Comments(16)
ルーミスの開翅する様子 素晴らしいですね。
完全開翅も綺麗です。 諦めずに待った成果ですね。 ↓ ムラサキツバメも綺麗ですね。
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こんばんは。
開翅の連続写真、いかにもotto-Nさんらしくて、いいですね。 いつも、感心しますが、組写真の見せかたが、巧みです。 時間の流れさえ、表現されているように思えます。 いろんな視点があって、その多様性が楽しいですね。
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temenos at 2013-11-25 14:40
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otto-N
at 2013-11-25 20:40
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旅友さん、ルーミスはとまったらすぐ翅を開くので、なかなかこういうシーンを撮ることができませんでした。
このときは、体が温まっておらず、やっと飛べる状態だったので、ゆっくり開いたのだと思います。 ムラサキツバメは、わずかな角度で色が変わってみえるので、とても面白いです。
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otto-N
at 2013-11-25 20:50
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HOUNOKIさん、翅を閉じているのをじっと待ち、開き始めたときのドキドキ感はたまりませんね。
待っているとき、位置が変わる度の閉翅だけに終わることのほうが多いです。 このときは、せっかくのルーミス、撮り損ねてなるまいとかなり緊張しました。
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otto-N
at 2013-11-25 21:02
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みき♂さん、昨年はダメでしたが、別の場所でやっと撮ることができました。
樹上から下におりてくるのは、その日の天気しだいのようですが、天気予報どおりにならなく、出撃するかいつも迷っています。 今年は、昨年と違い、数が多そうなのでチャンスは多いと思います。
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otto-N
at 2013-11-25 21:18
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temenosさん、マクロで撮った写真は、大丈夫だったのですが、望遠ズームで撮ったものは、ブルー部分が白とびしてしまいました。
思ったよりブルーが明るく光を反射してしまい、-1以上のEV補正が必要なようです。 12月上旬に、ちょっと出かけるので、少し早めに出撃しました。この谷間で再会したかったのですが。
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himeoo27 at 2013-11-25 21:32
ルーミス撮影おめでとうございます。新発生地開拓ですか...素晴らしいです(*_*)。最初の開翅シーンは最高ですね。とても美しい。
背景も“very nice!”です。この時期、病みつきになっちゃいますよね(*^_^*)。
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otto-N
at 2013-11-26 12:04
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himeooさん、裏は今回初めて撮ることができました。
表の水色の鱗粉は、ヤマトの青メスのように、粒々の塊で載っていることが判りました。 ブルーの色が明るい分、輝きが素晴らしいです。日陰で足元を飛んだときは、ほんとうにキラキラでした。
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otto-N
at 2013-11-26 12:11
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midoriさん、ありがとうございます。
この日は曇ってしまい、寒く、全然出てくる気配がなかったので、心当たりの場所に移動しました。 晴れてきたので移動しなくても出たと思いますが、新しい場所での撮影は嬉しいものです。
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thecla
at 2013-11-26 23:12
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私はルーミスの開翅撮影ではスポット測光を多用しています。極端にアンダーに設定しなくて良いし結構良い色になります。
ただ設定そのままで、裏面撮ったりすると悲惨なことになったりします(^^;
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otto-N
at 2013-11-27 11:03
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theclaさん、いつも中央重点測光でした。スポット測光は考えもしなかったです。使用説明書を読んだら、逆光の場合、分割測光で自動補正されると出てました。先日、クロツの逆光で失敗したのも、測光法が不適だったのでしょうね。でも、瞬時の判断はできそうにもありません。
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clossiana at 2013-11-28 13:59
房総ではイチイガシは大変に稀な樹種なのだそうです。それなのにルーがそこそこ見られるのを不思議に思われた方々が調べられた結果、今日では房総に於けるルーの主要な食樹はアカガシ、ウラジロガシ、アラカシとされています。これらの樹はいたるところにありますので特定のポイントに執着される必要はないと思います。でも実際にotto-Nさんがそうされて、しかも、ものの見事に見つけられたのはさすがだと思いました。やっぱりマイポイントですよね。
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otto-N
at 2013-11-28 19:42
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clossianaさん、南方系のドングリの木の区別がよくわからず、食樹を探していましたが、イチイガシは稀とは知りませんでした。
食樹の近くの日だまり、しかも、少し下が湿った日だまりを探していました。 単なる偶然かもしれませんが、こうして見つけたときの感激は大きいですね。
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