たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2013.12.6 ナイバシャ湖のロッジを7時30分に出発する予定だった。こぎれいすぎて何か物足りない広い庭を横切り、急いでロビーのある母屋に向かう。しかし、ガイド氏は遅れてやって来た。車を修理したいので1時間待ってくれとのこと。トヨタ・ハイエースのサファリ仕様改造車。天井が開くようになっている。壊れないのが不思議なくらいの年代物。天気がいいので、1時間くらいは簡単に暇をつぶせた。 庭にはあちこちに花壇があり花が咲いていたが、気温が低いのでチョウの気配は全くなかった。鳥しかいない。大型の鳥はトキの種類だろうか。白いのと黒いのがいた。3コマ目、エジプトで見たことがあるヤツガシラ。鶴嘴のように地面に嘴を突きさし虫を探す。6コマ目、ウなのだが、日本のと違って白っぽい。前日は暗くてわからなかった。 ボートに乗ったところまで足を延ばす。のどかな光景。 実は、この場所へはカワセミを撮りにきた。前日は暗すぎてだめだった。結構敏感だったけれど、何とか撮れた。ここのは、白と黒のものトーン。 再び、庭をうろつくと、ツキノワではないテリムクがいた。2コマ目、オレンジの鳥も目はテリムク?3コマ目、至近距離のツキノワテリムク、やっぱり派手だった。 我がサファリカーが戻って来て、マサイマラ動物保護区へと出発。いったんナイロビ方面に向かい、途中西に折れ、北上するようだ。西に折れる前にあるトラックの立ち寄り所のような名前不明の町。後から判ったことだが、この町は4度も通過した。 この町のとある角を曲がったところに安いガソリン屋があり、いつも給油した。 給油中の路地裏の風景。ロバっていつ見てもかわいい。ケニアでの一番人気の車はトヨタ。中古車としてそのまま輸出される。日本語がそのままになっているのは何度も見た。純正であることの証明。 遊んでいる子供たち。ほんと楽しそうに遊ぶ。お姉ちゃんは弟をおんぶしているし、もう日本では見られない景色だろうな。 西へ折れたら、しばらくというか、ずうーっと乾いた景色が続く。そして、ときどき原色の街、というより町。なぜ、こんな風景を撮りたくなるのだろうか。東南アジアでは全く撮りたいと思わなかったのに。カラッとした中に原色があるからなのだろうか。窓ガラス越しで色も出ないけれど、とにかく1秒7コマで撮影し続けた。 道路は真っ直ぐ作られていた。ときどき山道になるのだが、直線なので急勾配。ほとんどのトラックは喘ぎ喘ぎ登っていく。こういう所だけ、登りは2車線になる。我がサファリカーも力がないので追い越し車線は登れない。マサイマラに向かうと思われる別のハイエースのサファリカーに簡単に抜かれてしまった。前方には事故ったトラック。このトラック、マサイマラから帰る時にもまだ放置されたままだった。登ったり下ったりしているうち、大きな街にでた。ナロックというこれまでにない活気のある街だった。やたら、街角にたむろするバイクが多いと思っていたら、はたと気がついた。カンボジアで見たことがあるバイタクだった。小さな町でも、なぜ、バイクがかたまって停まっているのか不思議だったのだが、これで解決。でも、このバイク、中国とかインド製らしく、見かけに較べてスピードは遅い。原チャリ並みだった。 ナロックを出ると急に寂びれる。パサパサの平地が続く。3コマ目、なぜか道端で1人でダンスをしていた子供。 11時半、お土産屋で休憩。周りの空地でチョウを探すものの、パサパサ。緑もほとんどない。乾燥に強そうな花が咲いていた。 お土産屋を出てからすぐに、オフロード。ここからが凄かった。半分砂漠のような灌木地帯が延々と続く。ときどきマサイの人たちがいるだけだ。 古い車なので密閉性が悪く、車内は土埃で充満。カメラもザックも土だらけ。妻はマスクをしたいたが、すぐ真っ黒になってしまった。揺れすぎるのでシャッターも満足に切れないこの悪路。だと言っても、この写真、シャッターを切れたということは、まだ揺れが少ない箇所だったということになる。中央部は算盤道路。よく雪道でなっているが、土の上でも算盤道路になることを初めて知った。算盤のガタガタを避けるためにときどき道端の轍の中を車体が傾いたまま走り続ける。ひっくり返らないかと心配になる。雨季ならスタックが必然の路だった。 途中、マサイの集落がいくつかあった。先祖代々、こんなところで羊や牛を飼って生活しているにしろ厳しすぎる。悪路は果てしなく続く。 マサイの人が現れるとシャッターを切る。民族衣装がまだ生きている。2コマ目、左耳に大穴。唐突に大きな村が現れ、車はその村に入った。休憩かと思ったが、そのまま細い道を進む。 そして現れたのは牛の群れ。すっかり取り囲まれてしまったが、牛が通り過ぎるのをじっと待つ。それにしても、アバラの浮き出た痩せた牛ばかり。乳をとるのだと思うが・・・。 牛の先、今度は道らしい道を走っていなかった。灌木地帯のタイヤ痕を探しながら走っているようだった。そこで、突然の停車。車の故障かと思ったら、ガイド氏、疲れたから少し休憩!それはそうだ、この悪路を2時間ぶっ通しの運転だった。 車がとまった瞬間、ミスジチョウが目の前を横切った。そして、シロチョウも。たまらず、降りていい?と尋ねる。でも、車から10mだけ。シロチョウには逃げられたが、黄色いのが飛んできて20m先にとまった。ガイド氏の危険だからダメという声を無視して撮ってきた。クレオドーラシロチョウ♂(Eronia cleodora)。 車に戻ろうとしたとき、数10m先の反対方向にハゲワシが食事中だった。何枚か撮っているうち、すぐいなくなった。茂みに何が潜んでいるか判らない。やはり、灌木地帯は危険なようだ。 泊まるロッジはもうすぐというあたりで、イボイノシシの群れ、インパラ、シマウマが1頭。ずいぶんと暗くなってきたぞ。 平原にポツンと生えている木を撮っていたら、ロッジに到着した。午後1時30分。ロッジの名前は、「マラ・レジャー・キャンプ」。客室はテントのコテージ。 母屋にあるレストランは2時で終了だという。大急ぎで荷物を置き、食事をする。4時からサファリドライブ。それまで、ロッジ内を散歩する。散歩は名目、チョウ探し。ロッジ敷地はそう広くはなかった。花壇もほとんどない。空は曇り空。長袖がいるくらいの低温、チョウは飛んでいなかった。ロッジのフェンスの外に川があり、洗濯をしていた。それと、羊の世話をしながら遊んでいた子供たち。 チョウは全くいなかったわけではなかった。着いたときコテージに案内されている途中、雨に備えて休む場所を探していたシロチョウ。とまるのを待ってやっと撮った。アンボセリで撮影済みの種と思っていたが、よく見たら違った。 もう1種。午後4時、サファリに出かけるとき、ふらふら飛んで葉の裏にとまったシロチョウ。ルエッペリネキシシロチョウ(mylothris rueppellii)。暗すぎたのでストロボを使った。 このケニア旅行で撮ったチョウの名前がまるで判らなかったので、、前回、コメントでチョウの名前を教えていただいた「探検逍遥記」のfanseabさんに、記事をアップする前に撮ったチョウの同定をお願いした。撮影できたのは、シロチョウとツマアカシロチョウの類だったけれど、いずれも乾季型と雨季型があり、その完全な図版がないと厳しいとの返事をいただいたが、さすがfanseabさん、たちどころにそのほとんどを同定してくださった。また、ネット検索の場合、先人の誤同定結果をそのまま踏襲している可能性が高いことに注意が必要とのことでした。fanseabさんに同定していただいたチョウの名前は、緑色で記入しました。fanseabさん、ほんとうにありがとうございました。 (ケニア旅行 (9) に続きます)
by otto-N
| 2014-01-23 18:58
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Comments(4)
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himeoo27 at 2014-01-23 21:18
後半にポツポツ登場する蝶が、3種とも個性的で
魅了されます。 特に >ガイド氏の危険だからダメという声を無視して撮 >ってきた。クレオドーラシロチョウ♂ が妙に、惹かれます。
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otto-N
at 2014-01-24 20:22
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himeooさん、クレオドーラシロチョウは、ちょっとケバく、いかにもアフリカと言う感じですね。
表は撮影できなかったので、検索してみました。 この名前ではヒットしなかったので、学名で検索したらウィキペデアに写真が載っていました。
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otto-N
at 2014-01-25 21:42
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ごまさん、下調べもせず、先入観なしでチョウを探すのもいいもんです。
後から写真を見てみると、他のことは忘れているくせに、そのときの状況だけは確実に思い出しますね。 この日の後も寸暇を惜しんでチョウを探していました。
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