たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2013.12.7 続き ルーフの支柱の応急修理を終え、チーターを探すものの姿は見なかった。丘を下ったあたりはヌーとシマウマが多い。シマウマの子供は縞が黒ではなく茶色だった。母馬の横を甘えたように跳ねる。 だだっ広いブッシュもない丘の上、カンカン照りの中、メスのライオンが座り込んでいた。右のほうに獲物が転がっていた。 近づくと、左の方にも獲物。ただし、こちらは少し白骨化している。 ゆっくりとライオンに近づく。そして、前に回り込む。 ライオンの後ろに先ほどの獲物。 でも、ライオンの様子が変だ。苦しそうに喘いでいる。顔にはびっちりと小さなハエ。 車を停めてしばらくすると、苦しそうに立ち上がり、こちらの方にやって来た。でも、苦しそう。目も満足に開けていられない。 そして、一瞬、不思議な表情。ぶるぶるっと顔を振る。そのとき、顔にたかっていたハエが飛び散った。やはり、ハエがうっとおしいようだ。後ろにはハゲコウが1羽。 この直後、虚ろな目をしたまま、こっちにどんどん近づいてきた。 そして、車の下に潜り込んだ。ライオンの苦しそうな呼吸音がすぐそこから聞こえる。実は、このライオン。狩った獲物の見張り。捕ったものの近くにブッシュもなく、カンカン照りの中、他の動物、ハイエナとかハゲワシとかに奪われないように見張りをしていたわけだった。ライオンは、普通、ブッシュの中で涼んでいる時間帯。せっかくの獲物を他に取られないように、暑さに耐え頑張っていたようだ。ガイド氏は、車の下に潜り込むのを予想していた。よくあることだそうだ。ライオンはそのまま動かなくなってしまった。かわいそうなので10分間の停車。その間、次々とサファリカーがやって来る。これではハイエナと変わらないようだ。餌を横取りされないだけましなだけだ。 隙あらば餌にありつこうとしていたハゲコウ。 上空を舞っているのはハゲワシか。嘘っ!この写真は午前中に別の場所で撮ったもの。ときどき、こうして草原の上空を舞っているのを見た。 ライオンの獲物、2匹。1匹はカラカラだったがもう1匹はナマナマしい。キンバエが集っていた。 ふたたび、チーターを探すが見つからない。名前の判らない鹿が、車と並走。 チーターがダメなら、オスのライオンを探すがこれも見つからず。そこへ、バッファローの群れ。 体につく虫をついばんでいる鳥(キバシウシツツキ?)もいた。子供もいた。草を食べては横になり、のどかなのどかな光景。 大きいだけではなく、この面構え。強そう。 バッファローは、獰猛とのこと。ゆっくりと傍を通り抜ける。 これ以上、大物は見つからず帰る途中、情報交換でもしているのか数台のサファリカーが停まっている場所があったので、そこで小休止。ブッシュもほとんどなく、草食動物もいない。車を降りるとツマアカシロチョウが飛び交っていた。花に吸蜜するところを撮りたくても、とまるのは一瞬。全然、ダメだった。仕方がない、奥の手。オスとメスが絡んでいた。至る所に落ちているシマウマやらヌーの糞を踏まぬように追いかけた。 最小距離が40cmくらいの18-135ミリズーム。小さくしか写らないのでかなりのトリミング。構図的に1番よかったのは、上の5コマ目だが、近すぎてピンボケ。一応、これがオスの表翅が写っていた。 その後、やっと開翅が撮れた。後翅の黒条は1本のタイプ。fanseabさんの鑑定では、パレネツマアカシロチョウ (colotis pallene)。 ロッジへの帰り道、体躯が小さくて小鹿のようだが、目が大きいディクディクという鹿。ほんと可愛い。 さすがのガイド氏も道に少し迷ったらしく、ロッジへの道を羊番の子供に尋ねていた。「たびそら」風写真。 ロッジへ着いたのは4時半ころ、まだ明るかったので、園内をうろつく。見つけたのはヤマトシジミ近縁種、African Grass Blue (Zizeeria knysna) のメス。表はほとんど黒かった。ネットの写真で見ると。オスはシルビアシジミのように外側の黒縁が太い。ジンバブエでも撮ったことがある。 今回の旅行で持っていったカメラはK-5が2台。レンズは、動物用に55-300ミリズーム、風景用に18-135ミリズーム。ワイドズームは、ワイ端でマクロ的にチョウを撮影できる。以前、レンズ交換のときに、センサーに微小な水滴が付着したことがあったので、2台にした。でも、次々と現れる動物を撮影できたできないのと一喜一憂している夫に対し、小さな双眼鏡で動物を観察している妻のほうが、大自然を思いっきり楽しんでいるようだった。 (ケニア旅行 (13) に続きます)
by otto-N
| 2014-02-06 13:54
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Comments(6)
大草原サバンナを舞う待望のチョウ・・やっと登場しましたね!
それも絡み姿・・迫力あります。 躍動感漲る姿は憧れますね。 今年はこのようなロケ地で撮ってみたいです。
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otto-N
at 2014-02-06 20:50
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Favoniusさん、この飛翔写真は、それまでテレ端で静止を狙っていたのを、大慌てでAFからMFに切り替えただけなので、完全に露出不足でした。
なんとか明るく補正しましたが、ツマアカシロチョウの飛ぶサバンナの雰囲気だけは伝わったかと思います。 背景が写り込んでもいいときは(特に外国では)、接写よりも広角だということをつくづく感じました。
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otto-N
at 2014-02-07 20:40
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ごまさん、やっぱり晴れた日の順光だときちんと写りますね。
このシロチョウは小さく、クモツキより一回り大きいくらいです。 チョウはともかく、野生動物はいいですよー。 ぜひ、サバンナに行ってみてください。ハマります。
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himeoo27 at 2014-02-08 11:42
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otto-N
at 2014-02-08 20:37
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himeooさん、ツマアカシロチョウは種類が多いようですが、ここにいたのは、後翅の真ん中に黒条がない種類でした。
後から気がつきましたが、ライオンの顔のアップ写真の4枚組の1コマ目、左上にチョウが小さく写り込んでいました(ピンボケですが)。 サバンナでは、やはり、主役はチョウではなく動物でした。でも、動物が点在する風景そのものが素晴らしいものでした。
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