たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2013.12.8 続きの続き 午後のサファリドライブは無理。ロッジで昼食後、高いフェンスで囲まれたロッジの敷地の中でチョウを探す。外には、ライオンはいなくても凶暴なバッファローがいるとのことで、フェンスの外に出ることは禁止。ざあーっとロッジ内を流してみた結果、高い木の梢に咲く花にチョウが飛んでいたけれど、低いところには飛んでいない。目立つのはチョウより綺麗な小鳥。しかし、木々の間、葉に隠れて、そう簡単には撮れせてもらえない。2コマ目と6コマ目、嘴の形状から、太陽鳥(サンバード)の種類らしい。太陽鳥はハチドリのようにホバリングできないが、花蜜を食料にしているとのこと。どうりで、木の花をつついて散らしていたわけだ。5コマ目、ズグロウロコハタオリというハタオリドリの仲間。1コマ目、猿に威嚇されちょっと怖かった。その横に追いかけていたシロチョウがとまったのだが。 エントランスの前の道路際を飛んでいたシロチョウ3種。とても敏感。とまっても翅は開いてくれなかった。1コマ目、これまでさんざん見てきたツマアカシロチョウ(Colotis属)の類。ツマアカシロチョウは、動物がたくさんいた草原には多かったけれど、ロッジ近くではほとんど見なかった。2、3コマ目、少し大きい黄色いシロチョウは名前が不明。とにかく、ネットで調べても、アフリカのチョウはほとんどひっかからない。やっと出てきても、色褪せた標本の写真。Wikipediaでも名前は出ていても、写真がなかったり。ということで、掲載前に「探蝶逍遥記」のfanseabさんに名前を教えていただいた。乾季型・雨季型を含めた完全版の図版でもない限り、同定は厳しいとのこと。翅の表裏の片面しか判らず、その後の整理中に出てきた画像もあったけれど、それでもほとんど名前がわかった。氏に同定していただいたチョウ名は緑の字で記載しました。fanseabさん、どうもありがとうございました。 ロッジの中を一通り回り、チョウがあまりにもいないことに愕然としたけれど、ダイニングルームの前の芝生の横にある高さ3mほどの茂みの花にシロチョウが集まることに気がついた。集まるといってもポツリポツリと来る程度だったが、ここで粘ることにした。まず、目だったのは、ちょっと派手目な黄色、アフリカシロチョウ(Belenois creona)のメス。 なかなか背景の抜けた場所にはとまらないし、とにかく、これは木の花、低いところにはとまらない。 翅裏は黄色いが、翅表は白が主体。 アウロタヘリグロシロチョウ(Belenois aurota)のオス。 吸蜜時間が短く、ピントが合う前に飛ばれてしまう。どれもこれもよく似た模様。 Belenois属。B.aurotaの白化型かもしれないとのこと。とにかく、乾季型と雨季型の幅が広そうとのコメントです。 モンシロチョウより小ぶり。遠くてやっと撮ったけど、白すぎたせいかピンぼけ。Dixeia属(ヒメウスキシロチョウ)のオス? このロッジに着いた日に撮り、サバンナでも飛んでいたルエッペリネキシロチョウ(Mylothris rueppllii)。 飛び方は他のシロチョウよりゆっくりめ。翅を閉じているほうが美しい。日陰だと全体が黄色に見えるのはなぜだろうか。薄暗い中、風に揺れていた。 画像整理中に出てきた。翅の付け根のオレンジからMylothris属と思う。上のチョウより大きく、下のチョウよりは小さい。 ロッジの花壇は、ニチニチソウみたいな花しかなく、とても貧弱で期待はずれだった。それでも少しはチョウがときおりやってくる。ツマベニチョウより二回りくらい小さいが、それでも大型。ワタリウスアオシロチョウ(Nepheronia argia)のオス。 この花にはオナシアゲハも来ていたが、動きが激しく全然撮れず。問題は、黄色にオレンジの3コマ目。撮り損なってガックリ。 でも、30分後、少し離れた場所で、高さ4mほどの所にとまったこの黄色。翅を拡げたら先がオレンジ。葉が被っていないところをやっと見つけた。レダシロチョウ(Eronia leda)。 左、ミスジチョウだが白条ではなく、円型紋。飛び方は完全なミスジチョウ系。とまってもすぐ飛ばれ、やっと撮れたのがこの1枚。これだけで断定はできないが、ペニントンミスジ(Netis pennington)の可能性が高いとのこと。アフリカには白条が円形のミスジが多いようだ。その後、姿を現さず撮影できず悔しかった。右、ロッジ内のちょっとした空地でたびたび見かけたカバタテハモドキ(Junonia terea)。みんなボロだったが、これが一番の美形。すぐ翅を開く。 左、泊まっていたコテージの脇にいた、おなじみのカクモンシジミ(Synstarucus pirithous)。左、アフリカのヤマト、アフリカン・グラス・ブルー(Zizeeria knysna)のメス。ヤマトシジミよりかなり小型、飛び方の速いので、すぐ見失う。翅は開かなかった。 夕食が済んでも、ガイド氏は車の修理から帰ってこなかった。翌朝、フロントで顔を合わせたら、午後9時まで修理していたとの話。マサイマラには車の部品屋があり、一般的なサファリカーの部品は調達できるという。それにしても、暗い中、必死に修理していたに違いない。何しろ、修理できなければ、この旅行自体がこれで中止になってしまうのだから。よくやったと感嘆と感謝。午後のドライブは中止になったけれど、一通りのチョウの撮影ができたので、それなりに満足。でも、チーターかオスのライオン、見たかった。 (ケニア旅行 (17) に続きます)
by otto-N
| 2014-02-18 17:28
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Comments(6)
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himeoo27 at 2014-02-18 20:35
日陰に止まった「ルエッペリネキシロチョウ(Mylothris rueppllii)」
の黄色の淡い色合い素敵ですね! カクモンシジミ(Synstarucus pirithous)の裏翅の模様も大好き です。
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banyan10 at 2014-02-18 22:20
魅力的なシロチョウが並んでいますね。
僕だったらサファリばかりよりも、こういう日の方が嬉しい気がします。(笑)
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22wn3288 at 2014-02-19 09:18
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otto-N
at 2014-02-19 17:49
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himeooさん、今回のアフリカのチョウの中では、このネキシロチョウとツマカカシロチョウがとても良かったと思います。
カクモンシジミは出会うことの多かったシジミチョウでしたが、確かに、表より裏のチョウですね。
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otto-N
at 2014-02-19 17:55
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banyanさん、歩き回らなくても結構シロチョウを撮影できました。
アクシデントとはいえ、チーターよりは良かったかもしれません。 実は、もっとロッジにいい花壇があり、そこに来ることを期待していました。 でも、ロッジの花壇の様子は、プールのことは出ていても、ネットにはでていませんね。
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otto-N
at 2014-02-19 18:00
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旅友さん、こちらこそ、いつも愛知のチョウを楽しませていただいてます。
もっと森林地帯に行けば、色々いるとは思いますが、草原なのでシロチョウが多いのかなと思いました。 撮影の制約が多いので、あまり期待しなかったのですが、なんとか撮影できました。
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