たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2014.6.18 広い駐車場のあるビジホに泊まり、朝4時起床。コンビニで買っておいた朝食をそそくさと済ませ、まだ暗い中、虫林花山さんとの待ち合わせの場所へ。5時到着。早速、二人して長竿でクヌギの枝を叩く。すぐに、クロミドリシジミと思しきチョウが舞い降りてくる。でも、暗くてどこに下りたのかよくわからない。ずいぶん遠くに行ってしまうのもいる。10頭以上は降りたと思う。降りた場所を確認し、見失った個体を探す。これで、一休み。あとは、翅を開いてくれるのを待つのみ。少し、明るくなったところで、閉翅の写真を撮ってまわる。ISO1600でも思ったより暗い。 クヌギの樹上から降りたクロミドリシジミ。多くは、クズの葉にとまる。 降りた場所がわかっているつもりでも、すぐに見つからない。撮影する前にすでにいなくなったのもいた。白っぽいのがメス(1コマ目)、黒っぽいのがオス。オスは眼が大きい。(明け方、まだ暗いうちに飛び回るせいか) メスとオスの2頭が1フレームに入った。左がメス。こんなことはめったにないとのこと。翅を開くのが楽しみだったが、残念ながら、いつのまにかオスはいなくなっていた。 一通り撮影して、そろそろ開翅してもいい時間。しかし、一向に開かない。どうも空が曇って暗いためらしい。湿度も高い。開かないどころか、先ほどまでいた個体がどんどんいなくなっていた。6時30分、勤務のある虫林さんが帰られた。6時40分、たった1頭になってしまったオスも飛び去った。(冒頭の画像、実は飛び去る直前のもの。飛ばれては困るので、あまり近づかず恐る恐る撮ったのに)。残るはメス2頭だけ。メスだけでも開いてほしいと念じつつ、明るくなるのを待つ。しかし、一向に明るくなる気配はなく時間ばかりが過ぎていく。開いても撮影するには位置が悪い1頭(オスメスが1フレームに入った画像)に、飛ばれてもいいとLEDを当ててもじっとしているだけだった。もう1頭のところへ戻り、少し奥を見たら、なんと、チェックし忘れたのかオスが1頭いた。幸い、擦れてなさそうだった。横にバッタがいたので、動いたとき飛ばれるのが心配だったけれど、じっと待つ。7時30分、少し明るくなった気がした。ふとみると、バッタがいない。ひょっとしたら、と思ってカメラを構え続けた。そして7時40分、開き始めた。 日が射したときより、曇天のほうが美しいと聞いていた。まさにそのとおりだった。 茂みの中央なので、アングルは限られた。 時間がたつとベタ開翅状態。前からはこれが限界だった。 左斜め前にいるメスを見ると、これも翅を開いていた。近づくといったん翅を閉じたが、また開き出した。 無傷でとても美しかった。もう1頭のメスを見に行ったらこれも開いていた。でも、少しスレていたので撮影せず。(すごい余裕) 粘りに粘って、クロミドリシジミのオスとメスの開翅が撮影でき、今回の目的は完遂。空は、曇ったままだったけれど、前日訪れたゼフィルスの林道に行く。しかし、気温も低いせいかチョウの姿は全くなかった。ゼフはあきらめて、アサマシジミの最初のポイントに行ってみる。曇り空が少し明るくなったとたん、アサマシジミが飛んできた。飛んではとまり翅を開く。 この黄色い花は嫌いかと思ったが、吸蜜した。 この個体、拡大してみると、前縁の青鱗に小さい傷、前日の美個体と同じだった。 これは、少し古びた別個体。前日はいなかった。 とまってすぐ翅を開くし、見失ってもまた飛んでくる。しかし、同じ個体のようなので撮影は飽きてしまった。ので、ちょっとだけ、飛翔撮影。表翅は十分すぎるくらい撮っているし、背景もパッとしない所なので、飛翔を撮る意義があるかどうか疑問だった。ゆっくり飛ぶので撮りやすい。でも、上から被せなければ、翅が撮れないので同じような写真になってしまった。 この後、前日行かなかった別のポイントを覗いてみた。ナンテンハギらしき葉上に1頭だけ見つけた。青鱗の載りが少ないけれど、個人的にはこちらの方が好きかもしれない。この後、もう一度、ゼフの林道に立ち寄ったところで、雨。11時に引き上げる。 3年前、虫林さんのクロミドリシジミのオスの全開画像に一目ぼれ。以来、最も撮影したい頭文字「K」のチョウになっていた。毎年この時期、素晴らしい開翅画像を掲載され、今年こそと思っていたけれど、その撮影は朝5時からと知り、諦めていたのだが、ひょんな場所で虫林さんと知り合い、全面的に助けていただくことになった。3年越しのラブ・コール、かなえてくれた虫林さん、ほんとうにありがとうございました。
by otto-N
| 2014-07-01 12:10
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Comments(8)
♂♀とも最高の個体ですね。
素晴らしいクロミの開翅写真です。 光の具合も理想的で、しっとりとした作品です。 さすがでございます。
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otto-N
at 2014-07-02 20:15
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虫林さん、クロミの達人にそう言っていただけるとは、たいへん光栄です。
冒頭の画像のオスが飛び去ったときは、今年はこれでおしまいかと覚悟を決めました。 でも何とか撮影でき、虫林さんに感謝です。 オスとメスの開翅を撮影した直後、ガッツポーズどころか小躍りしてしまいました。
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otto-N
at 2014-07-02 20:23
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H.A.さん、サンキューです。
日差しがないほうが綺麗と聞いていたので、あえて曇りの日を選びました。 でも、日射しのあるときより、曇りのほうが開翅がむずかしいとは知りませんでした。 虫林さんに大感謝、それとラッキーの一言です。 トラフシジミの青を抜いたような赤銅色、やはり、オスでしょうね。
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Shin
at 2014-07-03 17:03
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積極的にあちこち出かけられていますね
わたしも出歩きますが、連れがチョウに興味が無く思うようにポイントに入る日程が撮れません 先日の九州も2週間近く滞在しましたが、オオウラギンに半日、ゴイシツバメは2日間たっぷりでしたが成果無し 上手く行かないものです
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otto-N
at 2014-07-03 20:36
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otto-N
at 2014-07-05 19:52
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