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たかがヤマト、されどヤマト

2014.6.20 東京・白金の森 トラフシジミ   2014.7.3 (記)

2014.6.20
自然教育園のトラフシジミ、前日(19日)に路上に多数舞い降りてきたけれど、翅を拡げることはなかった。2日続きの晴天となったこの日、年1回あるかないかのトラフシジミ開翅の日となった。

9時の開園とともに散策路を進むとトラフシジミがビュンビュン飛び回っている。すぐ吸水のために路上にとまるのはいつものことだけが、この日はここからが違う。すぐ翅を開くのだ。横から閉翅姿を撮る時間もないほどだ(ちょっと大げさ)。とりあえず、1頭だけ撮り、もっと沢山いるポイントへ急ぐ。そこでも、路上に下りるなり、ほとんどの個体は開始する。ただし、時期が遅いのかみんなボロ。中には、鱗粉が薄いのか、角度が悪いのか、まったく輝かないのもいる。とにかく、舞い降りてくるたびに、一番青く輝くアングルを探して撮りまくる。
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とまってすぐには全開にはならず、歩きながら少しずつ翅を開くようだった。この個体は、適度に摺れた個体であったが、半開のときはなかなか青くはならない。特に、V字の後ろ姿はただの茶褐色。このへんは、ムラサキツバメのオスと似ている。上の画像を見てわかるように、ボロであっても全開翅したときが一番青く輝いた。
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この個体は少しは擦れが目立たないので期待したけれど、全開には至らず、残念だった。
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新鮮な個体ほど開かない感じだった。珍しいほど新鮮なこの個体、開くのを待ちながら撮る続けたが、ずうっとこの程度のV字開翅。
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それでも、少しずつ開くようになったので、横に回り込み、ブルーに輝く位置を探した。しかし、ブルーは輝かない。深すぎるブルー。
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前寄りになると少し青くなった。しかし、もう少し前で、というところでで飛ばれてしまった。太陽の入射角からしても、もう少し前。残念無念。緑の葉ではなく、土の上だから、まっ、いいか。
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トラフシジミのブルーは難しい。光の入射角との関係がありそうだが、一番の問題は、鮮度の問題と思う。あれだけ激しく飛び回っているのだから、擦れるのは当たり前。翅が壊れるばかりでなく、鱗粉も剥がれると思わざるをえない。そうなると、薄い紫に輝くだけかなと思ってしまう。

近頃、ヤマトシジミを撮っていなかった。というより、自宅近くの2か所は、カタバミが壊滅的打撃を受け、ヤマトがとても少ない。1か所はカタバミは雑草として退治され、もう1か所は工事中。そんな中、教育園内でのヤマトシジミ。実は、園内でカタバミを見たことがない。おそらく、雑草として引き抜かれているのだと思う。
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2014.6.21
夜は雨が降らなかった。樹上は乾ききっているはず、日が射さず曇っているけれど、きっと路上に降りてくるだろうと、テニスに出かける前、1時間限定でトラフを見に行く。(あわよくば、前日の新鮮個体に遭遇できるかも)

数は前日より、まるで少なかったけれど、降りてきていた。そして、この日もよく翅を開いた。
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傷みの少ない個体。晴れているときより、ブルーがいい。
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ほぼ全開。曇り空でもトラフらしいブルーだが、晴れると輝くブルーになるはず。翅の傷も目立たなくなるかもしれない。
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これで、今年の教育園の夏トラフもおしまい。緑の中の裏翅を最後に撮った。
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トラフ祭りが終わった。発生してからしばらく経っていたので、ほとんど擦れ個体であったのがとても残念だった。樹上から路上に降りてきて開翅する条件は、かなり絞られた気がする。①カラッとした晴れ、②前日が雨だと降りてきても少ない、③晴れた日が連続すると、たくさん降りてくる、④たくさん降りても、気温が高いと開いても全開は少ない、⑤雨が降らない日が続くと、曇りでも、降りてきて開翅する。結局、降雨がないと樹上での吸汁ができないので、路上におりてくる。開く開かないのは気温次第、という仮説。この時期、晴れが連続する日は少ないし、晴れると気温が高いことが多い。この仮説が当たっているかどうか、気象庁の過去のデータを見てみようと思うが、東京の観測地点と教育園とのでは気象がズレている。それより、全開した日の事例が少なすぎ、今後の検討を要しますね。

by otto-N | 2014-07-03 20:09 | Comments(0)
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