たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2014年 5月 都心のツマキチョウは、発生地から徐々に拡散し、ゴールデンウィークに入ると自宅近くの花壇にもやってくる。人工的な園芸種に似合わないという先入観を捨て撮影する。が、やはり身がはいらない。しかし、ツマキチョウは、もっとも可憐な都市のチョウであると言ってよい。 風薫る5月。アゲハの季節。風にのってやってくる。正面から撮るのは難しかった。 毎年の恒例行事、アオバセセリ撮影。しかし、3回行ったけれど一度も顔を見せてくれなかった。あきらめて、コジャノメのいる日陰の道で遊ぶ。飛ばれてもすぐ戻ってくる。さすがに日陰では暗すぎ。日の当たるところだけでしか写らない。 手すりにとまったり、地面にとまったりしてテリを張る。別の個体が来るとすかさず、追いかける。木漏れ日の中で静かなバトルが始まる。 暗いけれどISOを上げられない。上げるとチョウより背景の闇の粗さが目立つ気がする。ISO800~1250、F3.2、1/1600~1/4000の試行錯誤。暗いところに入ったのは闇夜の烏、明るいところに入ったものだけが写る。ピントが合うのが不思議なくらい。 それでも数を打つとたまには当たる。でも、後ろ姿ばかり。 バトルの主戦場は藪の中。少しは明るい道路上でバトルが始まるが、結局、ものにはできなかった。とにかく、詰めが甘い。 埼玉県の秩父の山にカッコソウという絶滅危惧種の花を見に登ったとき、唯一撮れたチョウがスギタニルリシジミ。1昨年も全く見ていなかったので嬉しい出会いであった。 新緑で覆われた高尾山の山麓。ミヤマカラスアゲハとアオバセセリが目的であったけど、ここで初めてスミナガシに出会うこともできた。ウスバシロチョウ、その飛翔は撮りやすいようで撮りにくい。背景をムリに入れようとすると破綻する。もっと撮影場所を選ぶ必要があるようだ。 自宅近くの花壇。具体的に言うと恵比寿ガーデンプレースにある札幌ビール本社前。他に行くところがないと、ちょっと覗きに行く。モンシロチョウが必ずいるわけではないが、他にチョウもいないので撮らざるをえない。ときどき、2~3頭が絡む。激しく絡む。アゲハチョウもそうだったが、空中では脚を出し、蹴りかかっているのか、引っ掻こうとしているのか、とにかく激しい。 5月中旬を過ぎると、ヤマトシジミがやっと増えてくる。車道との境にある植え込みの上を、メスを求めて何度も往復する。 下旬、北アルプスの麓に、もう有名になりすぎて、チョウの数の10倍(いや20倍?)のカメラマンが集まる場所ではあるけれど、クモマツマキチョウを撮りに行った。私が行った日の後に、他の方々が撮影された個体を見比べると、私の撮影個体と同じものが混じっており(翅の傷が同じ)、ごく少数の個体が広い範囲を飛び回っていることが推察された。1週間後にこの地を訪れた友人から、天気がいいのにチョウは1頭も見なかったとのメール。そして、次の日、密猟者が14人もいたということを保護活動されているボランティアの方から聞いたというメールが届いた。
by otto-N
| 2015-01-12 10:25
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Comments(2)
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himeoo27 at 2015-01-12 14:11
どのコマも素晴らしい写真ばかりですが
やはり憧れの「クモマツマキチョウ雄」 の飛翔シーン綺麗ですね! 絶滅危惧種&保護種の採取は、絶対にやめ て欲しいです。
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otto-N
at 2015-01-13 16:33
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himeooさん、クモツキはツマキより、飛び方が速く難しいです。
それより、たくさんいるようですが、思ったより数が少ないことに驚きました。 採集者はカメラマンを装って(網はどこかに隠して)、人のいないところで活動しているようです。 人の目が多い場所なので安心していましたが、現実はまだまだ厳しいですね。
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