たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2015.7.13 八幡平に登る(というよりハイキング)ために泊まった宿は、山麓にある松川温泉・峡雲荘。山頂付近にある蒸けの湯とどちらにするか悩んだけれど (藤七温泉は数年前に宿泊。泥の露天風呂は混浴。男のほうがつらい)、もし天気が良くなかったらどうしょうもないので、こちらを選んだ。山麓のほうが少しはチョウがいるかもしれない。 八幡平ICをおり、1軒だけあったコンビニに寄り、樹海ラインという鬱蒼とした樹林帯の中のワインディングロードをしばらく行ったところに松川温泉はあった。まだ、明るいので近くを散策。松川温泉は、地熱発電で有名。すぐ隣にはごうごうと音をたて水蒸気を噴き出していた。標高875m。泊まった宿は、温泉、料理とも申し分なかったので名前を出しておきます。温泉の周りは、樹齢何百年と思われるミズナラの巨木もある。林縁にゼフくらい飛んでいるかと思ったら影も形もなし。見つけたのはルリシジミだけだった。 翌朝、間違って1時間早く起きてしまった。ドバドバと流れ出る白濁の朝風呂に浸かった後、周辺を散歩。まだ、寒いのかスジグロチョウが起き出したばかりだった。メスは大好き。 樹海ラインの日の当たるヘアピンの低いところで、テリ張り風に飛んでいるゼフを見つけたが、行ってみると樹上に去る。待っても戻ってはこなかったので、近くの林道に入ったところ、足元に路上吸水のゼフのメス。近くの葉にとまったのをファインダー越しに見て、やけに白帯が太いなと思ったら、フジミドリシジミだった。時刻は7時5分。 2回シャッターを切ったところで飛ばれ、後をついていくと、広い葉の上にとまった。これは開翅するぞと思って、後ろに回り込んだ途端、全開。スレてはいたけど。飛び去った後、近くをもう1頭飛んでいたがロスト。前日には、早池峰山の下山中、谷から吹き上げられた風にのって飛んでいるフジミドリのようなオスも見た。東北では、フジミドリはどこでもいるという印象だった。 ミズナラが多いのにもかかわらずゼフは期待できないので、7時半からの朝食をすませ、すぐに八幡平に向かう。樹海ラインのこれはと思うところではゆっくり走ったが、ゼフらしき姿は見られなかった。月曜とあって、駐車場(標高1540m)はガラガラ。岩手山がよく見える。道路を渡って八幡平山頂へ向かう。といっても、石とコンクリの遊歩道。 すぐに見晴しのいい場所に出る。 左に岩手山、その左肩に前日登った早池峰山。そして、右には秋田駒ヶ岳。 とりあえず、八幡平で一番高い所を目指す。ミヤマキンポウゲ、オオバタケシマラン、マイヅルソウ、クルマユリ。 まだ、ガマ沼には雪が残っていた。向こうは岩手山。 カラマツソウの蕾はピンク、かわいい。ここのハクサンチドリは強烈、ベニバナイチゴ、ヤマハハコ。 ヒナザクラの群生。この花は、顔の向きがてんでバラバラで撮りにくい。おまけに風。 八幡平の標高は1613mとされる。ピークとは言い難く、真っ平。樹林の中なので見通しが効かない。そのため、見晴台が組んである。そこからの風景。アオモリトドマツの樹海の向こうに山々。 こんな山が遠くに見えた。「山」の形。後で青森の岩木山と知る。 ガマ沼まで戻り、左折。大きな沼(八幡沼)と湿原が見えた。薄雲がかかっていなければ、青空が反射してきれいだったと思う。 ミヤマキンポウゲの乾いた場所から、イワカガミ、コバイケイソウの咲く湿地へ下る。 またしても、ヒナザクラ。 そして、果てしない湿原に突入。木道が延々と続く。 ニッコウキスゲはポツンポツンとしか咲いていない。ワタスゲとチングルマ。 ワタスゲ。風が吹き、日差しが変わり、目まぐるしく表情を変える。 風で少しずつ飛ばされる綿毛。先で待っているのを横目で見ながら撮り続けた。 池塘。もう少し左に寄れればハート型に見えるのだが。 アカモノ、イワイチョウ、アオノツガザクラ、ヒオドシチョウは木道の定番か。 湿原の先には、源田森(標高1595m)という少し高いところがあり、そこからの眺めは、八幡平山頂よりすばらしい。 八甲田の山々の重なり。 前々日に登った秋田駒ヶ岳。 鳥海山まで見える。 山頂のキアゲハは、ギフくらいの大きさで、とても小さかった。一度大きなキアゲハがやってきたが、撃退。風が少し強かったので、頻繁には飛んでこない。1コマ目は完全にピンボケ。しかし、「源田森」の看板を入れたかった。この枯れかかったアオモリトドマツは、先日見た山番組でも写っていた。 源田森のふもとにあった小さな沼。 その先を少し進んだが、同じような風景が続いていたので、元来た道を引き返す。そして、後ろを振り返った。 帰り道、ズダヤクシュを見つけた。たくさん撮ったはずなのに、ピントがほとんど合っていなかった。 3泊4日で、東北の3つの名峰、秋田駒ヶ岳、早池峰山、八幡平に登ってきた。総走行距離は1390km。さすがに遠い。山登りで疲れたというより車の運転で疲れた感じがする。でも、連日の晴天で、とても楽しい山登りの旅でした。それにしても、山の広角写真は難しい。アンダーで撮ったものが多かったため、元に戻すのが大変だった。1記事上げるのに、丸二日。チョウの写真のほうが楽だった。
by otto-N
| 2015-07-24 19:56
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Comments(2)
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fushiginomori at 2015-07-25 09:06
フジミドリは裏の模様が綺麗ですね。
縁毛の輝きもとても雰囲気が良いです。 未だ出逢ったことのない憧れの蝶の一つです。
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otto-N
at 2015-07-25 18:08
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fushiginomoriさん、ミドリシジミの中でも、一目で判りますね。
撮り損ないましたが、この前々日の逆光のオスの半開翅、透けた翅は絶品でした。 久しぶりに悔しい思いをしました。 東京でも撮れるので、ぜひ、行ってください。
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