たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2015.10.7 朝、宿を7時に出発。戸隠牧場の登山者用駐車場には車がすでに10台ほど停まっていた。関西からの車も多い。広い戸隠牧場を横切り、弥勒尾根新道の入り口に急ぐ。牧場から見えた戸隠山は近づいて見ると思ったより紅葉が進んでいた。高妻山(標高2353m)はここからは全く見えない。 7時40分、新道を登り始める。ミズナラ、ブナ、ダケカンバの広葉樹が色づいていたが、出だしから急だった。牧場の標高は1200mほど。標高差1100mの登山となる。 ダケカンバの見事が巨木。 登山道は緩い所があまりなかった。一度暗い根曲り笹のひどい道を下ったが、喘ぎっぱなし。ときどき紅葉を撮りながら登る。 少し平らな所に出てほっとする。紅葉度としては、黄色に色づいているだけでたいしたことはない。黒姫山(2053m)はすでに下に見える感じ。 妙高(2454m)はなかなか雲がとれなかった。広葉樹林帯の急登が終わっても、熊笹を切り開いた急登が続く。鎖場もあった。夏なら太陽を遮るものがないと思われる過酷な登り。ときどき真っ赤な場所があるけれど、のんびり見ている余裕はなかった。 しかし、後ろを振り返ると、なんと八ヶ岳。その左に富士山。 9時50分。唐突に旧道と合流点(六弥勒)に出る。そして、発見。北アルプス。あやうく見過ごすところだった。 同時に、目的の山がここでやっと見えた。右にダケカンバ、左に熊笹の尾根筋に登山道がまっすぐ走っている。まだまだ急登が続くのか・・・。 一度急斜面を下り、また登る。右手にダケカンバとその向こうに黄色い紅葉が続く。 左手には北アルプス。 急登は続き、やっと九勢至に到着。振り返ると戸隠の山。 まだまだ、先は長そう。 登っている間に見た花は、この3種類だけ。季節はずれのイワカガミにはちょっとびっくり。 やっと少しは緩やかになると思ったら、逆だった。岩のゴロゴロした道を手を使いながら登る。袈裟がけにしたデジイチをどちらかの手で支えながらなので、ちょっと面倒。登ってきた登山道は延々と続いていた。 カメラをザックにしまうには、もったいない景色が続く。 振り返ると、黒姫山ははるか向こう。 似たような景色。あまり赤くない紅葉とダケカンバの白い幹。鎖場では特に眺めがよかった。 急登脱出。登山道を振り返り、左の北アルプスを眺める。頂上はすぐ。しかし、尖がった岩石地帯からの脱出に思ったより手間取った。 11時40分、山頂に到着。残念ながら、北アルプスは雲の中だった。 記念写真を撮り、お昼を食べ、日本海側から流れる雲の切れるのを待つが、同じところで雲が沸き立つ。雲の合間から見えた北アルプスの山々。 山頂では、すでに10数人が登っておられたが、ほんんど旧道経由。5時間以上かかったらしい。12時すぎ、みなさんが続々と帰り始めた。風もなく気持ちのいい青空、名残惜しいが、12時30分、下山開始。カメラはザックに入れる。なにせ、急だ。下山中もまだ登って来る人もいる。はたして明るいうちに帰ることができるか不安。帰りは、滑って危険であるけれど、時間はかからない。新道旧道の合流点に着いたのは、午後2時。木の間から、槍ヶ岳が見えたのでカメラを取り出す。新道で下山。熊笹道なのでときどき滑る。 立ち止まって呼んでいる。この景色はどう?とのこと。でも、もう撮りました。 登るときは気がつかなかったが、真っ赤なモミジ。と、黄金色のブナ。 急な道は果てしなく続く。ときどき紅葉。下がるにつれ緑色。そして、午後4時ちょうど、牧場到着。東京まで帰ることはできたけれど、ムリをせず、翌日、軽く近くの山に登る予定でこの日は飯縄高原に泊まった。 高妻山は日本百名山の一つ。百名山はともかく、紅葉につられて登ったわけであるけれど、実は、戸隠の宿の方に、「新道でも5時間かかるので、朝6時には出なければ明るいうちに帰れない」と言われていた。ネットでは、新道で4時間という記載が多く、12時までに登れなかったら引き返すつもりで登ったのだが、あっさり4時間で登れた。北アルプスの眺望は素晴らしいものではあったけれど、紅葉はそれほどのものではなかった。ただ、この山の急登は想像以上のもので、涸沢カールのザイテンより苦しかった。北アルプスが望めるなら苦しさに耐えうるかもしれないが、そうでなかったら、それほどガンバリたくない山だ。北アルプスも昼ころには逆光になるので、朝、暗いうちから登る必要があるし、登るなら、北アルプスに積雪があってからのほうがいいと思う。 (高妻山(3)に続きます)
by otto-N
| 2015-10-16 19:42
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Comments(2)
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fanseab at 2015-10-18 09:58
本格的な登山をする体力がもうないので、貴殿の画像を見ていつも疑似登山体験
しております。本当に紅葉が綺麗ですね!崖地には夏場アサマ(ミョウコウ)が 飛んでいるのかなぁ~等と想像を巡らすのも楽しいです。
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otto-N
at 2015-10-18 19:41
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fanseabさん、体力のあるうちにと思って、(妻に従って)登っています。
京都の紅葉はものすごく奇麗ですが、ワイルドな山の紅葉にはかなわないと思います。 夏に登ったときイワオウギを見ると、こんな高い所にはいるわけがないと思ってもときめきますね。 ミズナラの樹林を登っているときでさえ、ゼフのシーズンはどうなのか気になってます。
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