たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2015.10.24 土曜日。朝から晴れ。テニスに出かける前の30分、裏山に行く。30階のタワーマンションを崖に見立てるなら、ここは少しばかり丘になっているので、「裏山」という名前でもいいだろう。撮影場所は崖の下と言うことになる。それにしても、カタバミはもちろん雑草がすべて引き抜かれ、土がむき出し。どうやって撮ればいいのだろう。 今季初のスーパーブルー。「前翅前縁にも青鱗粉が載り、前翅の黒縁が後ほど狭くなっている個体」を、個人的に勝手にそう呼んでいる。中には、黒縁がとても狭く、オスと見まごうほどの個体もある。ただ、晴れていると光が強すぎ、青鱗粉が美しく表現できない。この個体はちょっと擦れたはいたけれど、上の2条件を満たしており、同時にスーパーブルーに現れる「前翅中室の輝く青条」も明らかである。ただ、擦れているので青メスレベル4というところか。 この個体の青面積は広い。しかし、青面積が広いほど、逆に、青さが薄れるような気がする。これまでも、このタイプに出会うのは晴れた日ばかりだった。せめて、青を美しく撮ることのできる薄曇りの日に出会いたいものだ。 スーパーブルーにはすぐに逃げられたので、ISO3200で、その辺を飛んでいるオスを撮る。背景は、草刈が行われたため土が露出し、あまりにみじめなので、かなりトリミングしたが、ノイズはそれほど目立たなかった。 2015.10.25 日曜日。テニスに出かける前の探索。いきなりの黒い影。何だろうと思って追うとルリタテハだった。街路灯に止まる。ルリタテハはこんな無機質の金属にとても似合う。ブルー&シルバー。 ヤマトシジミのメスは標準的な個体が1頭だけ。 ほんと丸裸にされてしまったみじめな背景を、なるべく入れないよいうにトリミング。 2015.10.27 山登りに行った翌日。青いメスがいたがとまらない。飛んでるのを追いかけた。飛んでいるときは、かなり青いと思ったけれど、ブルーは標準的。結局、逃げられた時にはがっかりしたのだが、スーパーブルーではなくほっとする。 これは、その後やって来た別個体。撮影中、突然強風が吹き始め、ヤマトシジミはすっかり茂みの中に潜り込んでしまった。 2015.10.28 ちょっと気温が高いと、朝でも飛び方が速くて追いつかず。2コマ目、地上すれすれからの背景狙い。構図的にはよかったけれど、ちょいボケ。ヤマトシジミの数は全部で10頭もいないので、チャンスはとても少ない。背景が入る場所も限られる。 止まらないメス。B型だった。と思うほど、青鱗粉が少なくても、飛翔写真ではギラッと輝く。移動飛翔中のメスは、点から点。その間の飛翔速度は、オスの探雌飛翔より速いので、ファインダーにも入らない。静止を撮ろうにもすぐ茂みの間に潜ってしまう。 2015.10.29 待望の曇り空。しかし、外へ出てみると寒い。案の定、何もいない。いったん自宅に戻り、しばらくすると空が明るくなり始めたので、再度、行ってみる。オスが2~3頭、ゆっくり飛び回っていた。ふと見ると、オスに絡まれているメス。すぐにオスを振り切って笹の葉の上にとまる。飛んでいるときは青かった。待つこと約15分、見事に(半分)開いてくれました。前縁の青鱗がもの足りなく、黒縁も少し太いので、スーパーブルーぎりぎりというところ。 空が暗くなったので開翅はここまで。少し飛んでアベリアの植え込みにとまる。また明るくなってきたと思ったら、すぐに開いた。今度は長々と。 ただ、左後翅が羽化不全によるのか、ほんの少し縮んだ箇所があった。しかし、後翅のブルーが明るいのでとてもゴージャス。これなら、レベル4でもいい。 しかし、オスに見つかりどこかに行ってしまい、また空が暗くなったので撤収。自宅に戻り、PCに画像を取りこんでいると、また、空が明るい。この30m四方ほどの狭いポイントではヤマトシジミの移動があまりないので、戻ってくる可能性が高いので3度目の出動。そうしたら、地べたに青いメス。左後翅の委縮から先ほどのメスとだった。石垣の前のカタバミ付近を飛び回っていたので、少し打ちこんだら後ろ向きの1枚だけ当たった。 石垣の上に咲いているアベリアで翅を拡げた。 このところ、日が低いのでマクロで撮ると自分の陰になるので、少しでも距離をおこうと常時×1.4のテレコンを挟んでいる。今回はこれがアダ。近すぎた。それに、いつも、右手首に21ミリをつけたK-5をぶら下げながらの撮影。ピント合わせがきつい。 左の翅が写らないように、回り込んで撮った。これならわからないだろう。 その後、晴れてくるかと思ったら、曇り空。飛んでいるオスを下からねらう。暗いし、絞りも開けているので、せっかくピンがきても、4枚の裏翅を同時に写っているというだけで、つまらない感じがしないまでもない。 そんな時に、チャバネセセリ。鮮度がいいので撮ったけれど、今年初撮りだった。 アベリアにアゲハチョウも来ていた。下から狙ったら、珍しくも、真ん中に入った。でも、逆光では全く色が出ない。 数年前、ヤマトシジミを撮り始めたころ、オスと見まがうくらい青いメスと遭遇し、自分かってに「スーパーブルー」と名付け楽しんできた。いちおう、「前翅前縁に青鱗粉が載り、前翅黒縁が後ろほど狭い」という青面積の大きさに基づき定義したのだけれども、面積が小さくても青色が明るい個体もあり、後翅の青が発達した個体もあり、そう単純なものではないようだ。曇ったらヤマト、晴れたらムラツの日々がしばらく続きそうだ。
by otto-N
| 2015-10-30 20:22
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Comments(2)
最後のアゲハばっちりですね。
下からのアングルでこれだけきれいに決めるのはお見事です。 ヤマトシジミ、そんな時期になりましたが、まずしっかり見る、そしてカメラを向けるということにすごくエネルギーがいるなと言う感じがしています。
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Commented
by
otto-N
at 2015-11-02 14:43
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ダンダラさん、ありがとうございます。
アベリアに飛んでいるヤマトシジミを撮っていたところ、アゲハが来たので、置きピン距離を変えカシャカシャやったら撮れてました。 ヤマトシジミはスーパーブルー探しですが、翅脈が真っ白なオスも侮れません。
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