たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2015.11.5 江戸川河川敷の堤防で連日のヤマトシジミ。広い堤防の斜面でもポイントは限られていた。現地到着9時30分。朝露の斜面を歩くと、青いメスが飛び出した。(都心では朝露はほとんどない) 飛んでいるところを軽く撮るが、やはり、美しくは撮れていなかった。 オスも早い時間には比較的飛ぶのが遅い。とまらないと鮮度が判らないけれど、新鮮な個体は白っぽい。 白い翅脈を撮るには、被せ気味にしなければならなかった。 これと思う1頭を息が切れるまで追う。なにせ広い斜面、どこまでも飛んで行くが、追えるのはせいぜい50mくらいだろうか。 追いかけているうち、他のチョウにも目が行く。この斜面にいるのはこんなところ。ヤマトも飛び疲れるととまって翅を拡げるけれど、背景がどうしようもない所が多い。 休んでは、また追いかける。 こんな叢の中を飛んでるところを撮ってもしょうがないのだが、それは結果論。こういうところしかピントが合っていなかったのだ。 土手の下を見降ろすようにして撮っても、 見上げて撮っても、それほど変わり映えしない景色だ。 反転するたびに腕を伸ばし、先回りして頭から撮ろうとしても足元に飛びこまれ万事休す。 21ミリで置きピン25cm。ときどき距離リングが動いているけれど・・・。 そして、午後3時50分。日が傾き、少し暗くなってきた。翅の色も黄ばんでいた。 気がつくと、あちらこちらの穂先に赤く染まるチョウたち。もう眠る時間。 ヤマトシジミのシルエット。 眩しく輝く光は、堤防の向こうのマンションの窓ガラスに反射する太陽。少しずつアングルと距離を変え、色々撮った。黄金のヤマトシジミ。 この日、飛翔に切ったシャッター数は2500回になった。前日は半日で1500回。足元に不安がなく走り回れ、そこそこの数がいると、こうなってしまう。数打ちゃピントだけは当たるのだが、飛翔写真はチョウよりも背景を撮るものと思っている。美しいとは決して言えないこんな背景の中で飛翔を撮ってどうするんだろうと自問するが、ヤマトシジミの生活環境のリアルな現実。しかしながら、いつかはカタバミの群落の上を舞うヤマトを撮ってみたいと思っている。
by otto-N
| 2015-11-13 20:22
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Comments(2)
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yasu
at 2015-11-14 09:40
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他のシジミチョウには見れれない前後左右の不規則な動き、
ロウアングルで距離感を計るのが極端に難しい種ですし、 どうしても平凡な側面になりがちですが、やはり被せが効果的でしょう。 「白い翅脈を撮るには…」の写真なんて傑作とお見受けしましたが… 拘りを持ち、決して妥協しない写真の数々ですね。 カタバミ絨毯、探しておきます。
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otto-N
at 2015-11-14 16:37
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yasuさん、背景を入れようとすると、横向きの表翅か裏翅、被せると藪しか写らず、難しいです。
半開翅状態を頭のほうから撮りたかったのですが、いつも方向転換の逆襲にあってました。 あの斜面にも50cmくらいのカタバミ群落がありましたが、そこに飛んで来ないのが誤算でした。 そろそろオスは傷んできたので、カタバミ絨毯は来年の課題ですね。 よろしくお願いします。 (ヤマトを何10mも追いかけて撮ろうとは思いませんでした)
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