たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2017.2.16 昨年3月、妻のスキーブーツが志賀高原で壊れてしまい、暮れに新しいブーツを買ったのはいいけれど、まだスキーに行っていなかった。いつものように、スキー場の天気がいい時を狙っていたのだが、平日には毎日雪の日が続いていた。この日、移動性高気圧に覆われ、絶対晴れるとの予報。急遽、出かけることにした。場所は天神平スキー場。ここには、30年ほど前、春スキーに行ったことがある。確か、滑走面が3色のK2ファイブ・ウィンターヒートを履いていたころだったと思う。コブばかり滑っていたので、エッジを折ってしまった記憶がある。前日15日の午前中は所用があったため、午後に水上温泉に移動し前泊した。 当日の朝、起きると予報どおりの快晴。スキー場のロープウェイ駅に9時ころ到着。すでに列が長いと思っていたが、ガラガラ。山頂駅に着き、3本あるリフトのうち2本だけ運行していたが、乗っている人はまばらで、斜面にも人影は少ない。ただ、斜面にはすでにまんべんなくトラックが付けられ、残された雪は少なかった。まず1本滑ることとし、リフトに乗る。リフトを降りたら、こんな谷川岳が拡がっていた。(写真はすべて、クリックすると大きくなります) 谷川岳(標高1977m)のアップ。一度、夏にここから登ったことがあるし、下からも何度か見上げている。厳冬期にこんなに晴れる日は数少ないと思う。 谷川岳の右の向こうに3つの山。真ん中の一番奥が朝日岳(1945m)。その右前が白毛門(1720m)、左が笠ヶ岳(1851m)。白毛門からの谷川岳はすばらしいとのこと。 もう一つ。谷川岳の左にあり、釘づけになった岩稜。名前が判らなかったが、マナイタグラというらしい。漢字は読めず、ワードですぐ打てそうもなかった。 数日間、雪のためゴンドラが運休していたので、新雪はたっぷりあるだろうと思っていたら、意外と少なく深いところで30cmくらい。積雪量より問題は、表面がウィンドクラストしていてパリパリ。すでにつけられていたボードのトラックの多くはターン弧が浅く直線的なものが多かったが、ターンが難しかったのだろうと納得。それにしても、ボードの滑り方はもったいない。昔のスキーヤーは1本ずつ丁寧に滑り、新雪がなくなると「8」の字を描き、深雪を楽しんだものだった、と言うと年寄の繰り言になるか。この急斜面は、吹き溜まりとクラストがミックスされていて、見かけより難しい雪だった。斜面の全景はパノラマ合成がうまくいかなかったので3分割のまま載せます。 天神平ではボーダーが8割。スキーヤーはほとんどファット。そして、ここでもかと思ったくらいオーストラリアからのスキーヤーが多い。リフトにはポツンポツンとしか乗っておらず、斜面にもほとんどいない。どこを滑っているんだろうと思ったら、滑走禁止地域での「ツリーラン」のようだった。ヘルメットにザック、少し登山道を登った場所から、ゴンドラ始発駅に滑り込むようだ。それはさておき、普通のロッカーで滑った私のトラック。ターン径が小さく、ときどき先割れし不均一。少しでも滑った後のない新雪を求めて滑ってましたが、空いている所はクラストばかり。失敗の連続でした(矢印)。ファットならどう滑れるのか興味深いところです。 谷川岳の大斜面(肩の広場ということを後で知る)に3本のボードのトラックを見つけたのは9時半ころ。この3本は、雪の亀裂の下の急斜面に続き、奈落の底に下りていた。午前中なので雪崩の恐れはないようだが、それにしても気温が高い。ロープウェイの始発は8時半。1時間であそこまで登れるとは思われないので、避難小屋に泊ったのだろうか?うーん、すごい!そして正午すぎ、大斜面にもう1本の、ボードではなくスキーのトラックが新たに加わっていた。 大斜面をズームアップ。すばらしいトラックだった。八方尾根でも第一ケルンあたりから南俣に滑り込むトラックを見たことがあるけれど、斜面全体を見ることはできなかったので、これほど感嘆はしなかった。大きな雪庇の下の片流れの斜面を一直線に滑り下りていた。まさに羨望のシュプール。(私にはスキーを担いで登る体力がなさそうです) →午後になってからも谷川岳を登る人の姿が見られた。19日、「ヤマレコ」を検索したら、この日の登頂記事が5件アップされていました。登頂、おめでとうございます。すばらしい。それにしても、このシュプールをつけたスキーヤーが滑っているところを撮りたかったです。 14時、残された新雪はなくなり、3本のリフトしかない小さなスキー場。もう飽きてしまった。せめて田尻沢Bコースが開いていればもっと楽しめたのだが・・・。ということで、少し早いが撤収。 田尻沢を下っているとき、脇の林の中に入ったらクラストなし(当たり前だ)。これなら、ツリーランしたくなるわけだ。途中で撮った谷川岳。少し陰影がついていた。田尻沢コースは登山道に造られた長いコースだが、幅が狭い。沢の急斜面には雪が転げ落ちている箇所もあり、管理するのも大変そうだった。 冬に初めて天神平に来たけれど、他のスキー場とは異質だった。ほとんどが、いわゆるバックカントリー派。ボダーがほとんどで、スキーヤーもファットスキーとヘルメットとは恐れ入った。ニセコ以外に(野沢もそうかもしれないが)、こんなマニアックなスキー場があるとは思わなかった。ニセコの場合、降雪後、アンヌプリのゲートが開いたなら、1時間で深雪はなくなってしまう。ここなら、そんなことはなさそう。関越トンネルの手前、東京からはとても近いので、ツリーランをしなくても、天気さえ良ければものすごい穴場だ。ところで、心配だった妻の新しいブーツは当たる箇所もなく問題は全くなかったけれど、板はカービング板。この不整地はかなりきつかったようだった。よく頑張りました。 水上に着いたら、気温13℃。終日、久しぶりの無帽、サングラスでのスキーでした。 水上温泉 「天野屋」 前泊した宿は「天野屋」。狭い谷の底にある小さなノスタルジックな旅館。最近泊ったことがない昔ながらの宿です。妻が温泉好きのブログから見つけてきました。ぬるめの湯でしたが、温泉としてはこの一年で一番の湯でした。どぼどぼと源泉掛け流し、いつまでも入っていたくなります。食事は大旅館の(虚飾の)豪華さはありませんが、おいしくいただけました。窓からの景色も淋しく部屋も古びていますが、郷愁をそそられます。 翌朝、窓からちょっとだけ赤く染まった谷川岳が見ることができました。 P.S. 今回、使ったのはキャノンのコンデジ。しばらくぶりなので使い方を忘れていましたが、一番困ったのは、晴れた雪の中では明るすぎて、モニターが全く見えないことでした。カメラには視野範囲が狭いながらファインダーが付いており撮影はできましたが、写っているかどうかさえも確認できず、設定した数値も全く見えず、露出オーバーでボツの山でした。
by otto-N
| 2017-02-18 18:26
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