たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2017.4.4 春の花巡り第二弾は丹沢のミツバ岳(834m)山頂のミツマタの群生。黄色の花の向こうに富士山が見えるという。ミツマタは黄色の地味な花だろうという認識しかなくあまり気が進まなかったが、東名でそんなに遠くはないし登りは1時間くらいなので、まあいいだろう。しかし、この花の実力はそんなものではなかったことを後で知る。 東名を大井松田で下り246経由で丹沢湖。湖畔の駐車場はほぼ満車。登り始めたのは10時すぎ。のっけから杉林のジグザグの急登。かなり登ったと思うころ、暗い杉林の中にミツマタの木がポツンポツンと現れた。黄色の大きな花をつけたものを選んで撮る。 上空は杉木立。近寄って撮るも息が絶え絶え、先を行く妻を追う。 そして、杉林が終わったあたりではミツマタの黄色い大群落。 11時、山頂到着。山頂の大群落の左方向。おおー富士山。しかし、杉の木が高すぎ、アングルに一苦労した。 さて、昼食にするかと言う時、目の前のミツマタの花にヒオドシチョウが吸蜜していた。急いで広角から望遠側にズームしている時、あっけなく飛ばれてしまう。また来るかと思ったら、その後はテリハリ行動あるのみだった。こうなってはアドレナリンが沸騰し、こういうことがあるかもしれないと持ってきていた21ミリでひたすら飛翔を狙う。距離40cm、富士山を入れるため絞りF8。飛び立たせてもすぐ戻るけれど、飛び立ちの瞬間はまるで撮れない。戻って来た時が勝負。富士山は2本の杉の間だけ。なかなか入らなかったがなんとか入った4コマ目。 富士を入れるには下から上にレンズを向ける。しかし表翅は撮れない。カメラを上から被せてみると雑然とした地面だが、飛翔感あふれる姿が撮れた。後ろにかろうじてミツマタの花。 ヒオドシは2頭いるようだ。時々絡むが、すぐ上空に昇ってしまうのでうまくいかない。それでも2頭がやっと入った。惜しい!富士は半分だけ。しかしミツマタ群落が入ったので大満足。 昼食のおむすびを座って食べる暇もなく、ポケットから時々取り出し少し食べてはヒオドシを追いかけた。しかし、権現山(1019m)に登らねばならないのでタイムアップ。11時50分、地面にとまったヒオドシを最後に撮る。お疲れさん。 ミツマタの花はあまり撮っていなかったことに気がつき、そそくさと撮る。 大きくて黄色い花と小さくて白い花があり、この時までは、白いのは花が終わって萎れているものとばかり思っていた。 ミツバ岳から権現山へしばらく平坦な尾根が続き、そこかしこにミツマタの花が咲いていた。ミヤマセセリが飛び交う雰囲気ではあるけれど、木々はまだ芽吹く前。気温も低い。 日陰、日向、ミツマタの花を撮りながら歩く。どうやら、白いのは裏から見た姿と気づく。大きな花が黄色いボンボリ状に見えるようだ。小さいものは傘状に開いているので、山側から見ると白っぽく、谷側からでは黄色く見える。 日向の前、日陰の後ろ姿。三つに分かれた枝別れ部分も撮るべきだったが後の祭り。 青空も入れる。眩しい白と黄色がとても美しい。 同じ画像を拡大してみる。現れたのは1つ1つの花の可愛らしさ。 最後は急登となり、12時30分、権現山山頂に着く。山頂は木立に囲まれて見晴しは良くはない。数日前に降った雪が少し残っていた。この山頂にもヒオドシが1頭。しかし、敏感で飛んでも同じ場所には戻ってこなかった。12時40分、尾根伝いに下山開始。途中の尾根筋の日溜まりにはヒオドシチョウがテリ張りしていた。 今度はすぐ舞い戻って来たので少し遊ぶ。2頭が激しく絡むが追いつかなかった。 枯葉の上にヒオドシチョウが舞う。木々の向こうは丹沢の山々。いい雰囲気なのでもっといたかったけれど、きりがなかった。 しかし、この後が大変だった。土が剥き出しの急な斜面が連続した。ぱさぱさの表土で足がズリズリと滑り、登山道というよりは踏み跡と言っていいほどの細い道だった。木の枝につかまりながら、ほとんど横向きの状態で下る。低い山なのでストックを持ってこなかったのを後悔。低山を侮ってはいけない。北アルプスのほうが登山道は整備されている。やっと急斜面を抜けた所で再び嬉しいミツマタの花。 さらに下ると南向きの広い斜面にミヤマセセリが飛んでいた。時々絡んでいるので撮ろうとするが、巡回しているのか近くには飛んでこなかった。ところどころにミツマタの花が咲いているので吸蜜もしているはずだ。機会があったら本格的に撮ってみたい場所だった。しかし、この後も急なジグザグ道が続きミヤマセセリの撮影だけに登る気はしない場所だった。14時20分、相模湖に架かる大きな橋のたもとにたどり着き、2つのトンネルを抜け、14時50分、ぽつんと1台だけが取り残されていた駐車場に到着した。 P.S. 山頂でヒオドシチョウに現を抜かしていた時、妻がスマホ(アンドロイド)で撮ったミツマタ・サンド。富士の右側の広く開いた空間をミツマタの花で埋めた構図だけではない。ミツマタは下から見ると黄色、上から見ると真っ白。完全に妻の勝ち。1本とられた!
by otto-N
| 2017-04-08 10:40
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Comments(2)
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