たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2014.12.15 マレーシア最終日は、世界遺産のマラッカへ南下。高速に入る前にクアラルンプール市内のチョコレート工場へ寄る。工場の庭にはカカオの木があった。花と実を見るのは初めてだった。花は幹に直接つけ、実はラグビーのボールほど(チョコは買わず)。3コマ目、いつも市街の汚い所しか撮っていなかったけれど、これがクアラルンプールの実力かもしれない。自動車専用道路が立体交差で結ばれ、緑が多くトーキョーより近代的だ。 高速道に入っての景色は単調だった。通り過ぎる街はビル化され綺麗でつまらないし、相変わらずの油椰子畑。マラッカ近くの街で昼食。バスを降りたら近くの叢で、ヒメシルビアシジミが飛び回っていた。どうせ食べ物が出てくるまでに時間がかかる。いったんレストランに入り、カメラを2台もって引き返す。ヒメシルビアは何度も撮って飽きてはいるが、街の中にはこれしかいない。暑いのかとまる気配がないので、標準ズームで飛翔を撮る。最短でも40cmしか近づけないレンズ。そもそも、こんな寄れないレンズで撮ろうというのが間違い。トリミングなしだと、どこにいるのか判らないほどだ。 トリミングしてチョウを大きくする。それでも小さい。草被りも多かった。 道路脇のちょっとした空地。食草は判らなかったが、どこでもいるわけではないところは、ヤマトシジミと同じだ。ここのセンダングサは異常に小さい感じ。ヒメシルビアとおんなじくらいだ。ときどき吸蜜するが、時間が短かったり、スレ個体だったりしてなかなか撮れなかった。レストランに戻り、ランチをそそくさと食べ(まあそれほどおいしいとは思われないニョニャ料理という当地の料理)、また飛び出す。時間切れ直前、やっと綺麗な個体が吸蜜してくれた。草の間からサンヨンで撮ったが、ちょっとピンボケ。 それと、前翅の黒縁が油光りしていた新鮮個体の開翅も撮影。(ヒメのつかないシルビアで撮りたいところ) ポルトガル→オランダ→イギリスと統治国が次々に変わったマラッカ。マラッカという地名より、マラッカ海峡として頭に刻み込まれている。高速を下り、一般道とおぼしき道を走っていたとき、急に海が現れた。少し大きな橋の上から、タンカー。 この後、すぐマラッカの市街に入り、世界遺産の観光となった。初めに案内されたのは中国風のお寺。なんでも、航海と商売の神様(お寺なので本来は仏様ではあるが)なんだそうだ。その後、骨董通りという場所に行く。 昔は骨董屋さんがひしめいていたらしい。が、今は数えるほど。骨董品自体古いものは海外持ち出し禁止なので骨董品というべきものは少ないらしい。古い建物のお土産屋と雑貨屋が並んでいるという感じだ。街角にいたピーナッツ売り(茹でピーナッツ?)は、伝統的商売か。 表通りより、観光客があまりいないちょっとした裏通りはなかなか雰囲気はよろしい。東洋人と西洋人、それに今風落書き。 ときどき原色の建物が混じり、原宿と言った感じ。買いたいものもなくぶらぶらする。行列店もあり、感じはペナンのジョージタウンと似ていた。 この通りの先にオランダ広場があった。煉瓦造りの時計塔と教会がある。広場といってもとても狭い。ここを席捲していたのはド派手な輪タク。キティちゃんが一番人気で、ドラえもん、雪アナ、なんでもあった。 教会の中に入ってみる。ステンドグラスではない明り取りがとてもエレガントだった。 オランダ広場からマラッカ海峡が見える丘はすぐ近く。丘の上にはフランシスコ・ザビエルの像が立ち、小さな教会(セントポール教会)が残されていた。丘からのマラッカ海峡はずいぶん遠かった。なあーんだ、という感じ。 広場のフェンス下の急斜面で2頭のチョウが絡んでいた。チョウトンボのような飛び方から、アフリカで何度か見たことのあるホソチョウだとすぐわかった。当然、ザビエルや教会の説明どころではない。 どうやら、2頭は1輪しか咲いていないセンダングサの花を争っているらしく、勝ったほうが長々と蜜を吸っていた。 ネットで調べたところヘリグロホソチョウに違いないと思うが、勝って吸蜜するのは傷んだこの個体ばかり。翅を閉じたり開いたり、風であおられるので、真後ろからは撮れなかった。 マラッカとは、ここで採れる果物の名前とのこと。この丘はマラッカの大きな木が何本かあり、直径2cmくらいの実をつけていた。苦酸っぱく眠気覚ましにいいとのことで、ガイド氏が落とした実を食べてみた。確かに苦くて酸っぱかった。ホソチョウに一段落して妻はどこかと捜したら教会の中で猫と遊んでいた。丘の下には砲台跡(サンチャゴ砦)があったけれど、その横にあったバナナの葉様の平ぺったい植物。 マラッカからクアラルンプールまで約150kmの道を戻る。いい油椰子畑があったので写真を撮ろうとしたところ、突然のスコール。それからは飛行場までずうーっと雨だった。飛行場近く、北海道の観光案内の看板。マレーシアでは北海道がとても人気があるとガイド氏は言っていた。 夕刻、飛行場到着。出発は22:50。かなり暇だった。二人で2万5000円しか両替しなかったが、残ったのが98RM。中途半端な金額ではあったけれど、90RMのオーストラリア産のワインとガムで使いきる。お土産屋をぶらついていたら、初日に出くわしたニシキオオツバメガの標本が売られていた。この時点で、マレーシア産ではないと思ったけど、もし、アクリルブロックの封入標本なら高くても買ったかもしれない。蛾を見直しました。 大手旅行会社の団体ツアーで、バスに揺られている時間のほうが長かったけれど、朝は7時起床のゆったり目で助かった。泊まったホテルは、クアラルンプール:SERI PACIFIC、ペナン島:THE NORTHAM ALL SUITE、キャメロンハイランド:COPTHORNE となかなか良かった。特筆すべきは、3ホテル中2ホテルでは、日本のウォシュレットほどではないけれど、便器にしっかりしたノズルが組み込まれていた。海外で初めて。さすがイスラムの国。今回は、ひょっとしたら街中でもキシタアゲハが飛んでいるかもしれないと、サンヨンを持っていった。しかしながら、マレーシアには花壇を作るという習慣はないらしく、ブーゲンビリアとハイビスカスの植え込みを時々見る程度。ランタナは1度しかお目にかかれなかった。というわけで、今回もチョウは厳しかった。ただ、あの小さなヒメシルビアシジミをサンヨンで撮れるというのは大収穫であった。観光的には断トツでオランウータンだね。 この12月で、ブログを始めて4年ちょうど。記事数を今調べたら691。平均1か月に14記事をアップしたことになる。画像数はコマ割りもあるのでかなりの数。エキサイトの無料掲載分をはるかに超えてしまっている。サンデー毎日の身のなせる業ですが、チョウ撮影に限れば、毎年同じ場所で同じチョウを撮っているだけで、そろそろ飽きてきたというのが実情。さて、来年、どーしょーか。
by otto-N
| 2014-12-30 14:20
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Comments(6)
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himeoo27 at 2014-12-30 16:44
ホソチョウは、翅の色合いが面白いですね!
東南アジアには興味深いチョウが多そうなの で、蝶撮に行きたいです。
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otto-N
at 2014-12-30 22:50
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Shin
at 2014-12-31 16:36
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クワラルンプールから汽車でタンビンへバスでマラッカに
ホテルの名前は忘れましたが、庭が広大なリゾートホテルでした。夜中に庭を歩きましたが、ガードマンが5mおきに警備をしていましたっけ。ニョニャ料理やザビエルの墓跡など見て歩きましたがほとんど忘却の彼方へ・・・何しろ一緒に連れて行った娘が中学生の時でしたから
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otto-N
at 2014-12-31 20:48
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Shinさん、全行程が決まっているので、ガイドブックも持たず予備知識もないまま行ってきました。
治安がよく、思ったより余裕のある国という印象でしたが、イスラムの女性の服装がもったいない感じです。 観光スポットではなく、もっと自然のあるところに行きたかったですね。 来年もよろしくお願いいたします。
otto-Nさん、こんばんわ。
マレーシア撮影記、拝見いたしました。 じつは、わたしは先日ベトナムに行ってきました。 パックの観光ツアーだとどうしても自由時間がなくて、蝶の撮影には辛いことが多いですね。 それにブログにも書いておられますが、ツアーなどで連れていかれる観光ポイントには、さっぱり蝶はいないですね。笑 そんな限られたなかで、otto-Nさんが出会った種類は少なくてもとても素晴らしい写真を撮影しておられるので驚きました。さすが、長年蓄積されてきた技量がこんなところにいかされているんだなぁと。 今年は、なんとかキャメロンハイランドあたりに蝶を探しながら写真を撮りに出かけたいものだなぁと思っておりましたので、一連の旅行記はとても参考になります。またよろしければ、向こうの事情など教えてください。
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otto-N
at 2015-01-08 14:38
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OTTOさん、ベトナムにも行ったことはありますが、観光ポイントにはあまり蝶はいなかったですね。
蝶を撮るとき、いつも太陽の向きを気にし、一番よいと思われる位置に回り込む癖がついています。 キャメロンハイランドは昆虫の宝庫と聞きますが、調べてないのでよくわかりません。 団体旅行でなくても、ガイドさんは蝶なんぞ追いかける変な日本人としか見てくれません。
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