たかがヤマト、されどヤマト | |||||
ウラゴマダラシジミ 毎年、イボタの花が咲く頃にこのチョウを撮りに行くのですが、開翅を撮れずに終わっていました。翅を閉じていた羽化直らしい♀を待ち続け、やっと撮ることができました。しかし、寄り過ぎてしまい(これ以上下がれなかったのかもしれませんが)、縁毛までピントが合っていたのは数が少なく、冷静に距離をおくことも今後の課題です。 ミドリシジミ ミドリシジミは写す角度によって青から緑に微妙に色が変わります。頭が向こうに向いた時では後翅は輝かず、横に向いたときは青っぽく撮れるようです。4翅とも輝くのは頭がこちら向きの時で、色も金緑系の色になります。しかし、なぜか目にピントが合わないことが多く失敗ばかりしています。とにかく、1回ごとピントを合わせ数多くシャッターを切る以外、手がありません。これは100ミリマクロで撮りましたが、なかなか後翅までピントが合いません。 もう少し上から撮ると後翅もはっきりしますが、この画像では目のピンが甘いです。 こちらは300ミリ。よほど下にとまらないと上から撮り下ろすことができません。それにしても、ちょっと近すぎました。とにかく、こんなにミドリシジミを撮ることができたのは初めてで、近郊ながら前泊した甲斐がありました。 オオミドリシジミ 早朝のオオミドリシジミのテリ張りは、雑木林に日が差し込むと始まります。最初は頭上で飛び回っていますが、ポツンポツンと日の当たる低木の葉上で開翅します。開翅していても近くに別の♂がやって来るとスクランブル発進するので落ち着きません。オオミドリも頭をこちらに向けた状態なら4枚の翅がすべて輝くはずなのですが、ほとんど頭は太陽と逆の向きで日を浴び、前翅しか輝きません。輝いた翅はまるで鏡のように光を反射します。実際は背景も明るいのですが、絞りに絞っての撮影です。 頭を下に向けて翅を開き4翅とも輝いていますが、こういうことはめったにありません。ピカピカと輝きすぎ白とびしています。ピントは合っているはずなのですが、拡大して見ると鱗粉列が写っておらず光の点々だけでした。タダミドリと違って、曇っている日には絶対に現れないので厄介です。 トラフシジミ ゼフのシーズンはトラフシジミのシーズンでもあります。ポイントに通い詰めて7年目、夏型については開翅する日が予測できようになりました。しかし、スレた個体ばかりなので期待を持てなくなっています。この日も新鮮な個体はあきらめていましたが、ピカピカの個体が1頭だけ降りてきました。路上での吸水中も全開でしたが、路傍の葉の上でも開翅しました。 上の写真は保全協会の作品展に出品したものですが、ミドリシジミ類と同じく、トラフシジミの場合も構造色は頭を下にした方がよく輝きます。全くブルーに見えない位置もあります。 ヤマトシジミ 11月にはヤマトシジミの♀探しに奔走しました。♂と見まがうばかりの青♀も見つけましたが、美しいのはほどほどの青♀です。鮮度が大事ですが、光の当たり具合でこれがヤマトシジミとは信じられないくらいに撮影できます。 前縁まで青鱗粉の載ったスーパー・ブルーです。暗めに撮るとブルーが輝きます。 スーパーではありませんが、前翅の黒縁が厚く力強い個体でした。 ムラサキツバメ ヤマトシジミ探しが一段落した後は、これも懸案のムラサキツバメの♂探しです。素晴らしい輝きのブログ画像を見るたびに、実際の色ではなく画像処理の色と思っていましたが、一度、尋常ならぬ輝きを目にして以来、ムラツ♂を探しています。ムラツの♂も構造色を出すには、頭が下向きのアングルですが、なかなか思うようにとまってくれませんね。この秋にも探すことになりそうです。 **************************************************************************************************************** 以上、飛翔写真を含めて2017年の過去画像の焼き直しをしました。シーズン中にはあまり考えずに掲載していた画像は反省すべき点が多く、たっぷりと時間がある季節、JPEG原画から、トリミング(特に飛翔では水平)や輝度・明暗などの調整を行いましたが、結局、元とはそれほど変わっていないような気がします。(静止画像はシヂミ蝶だけにしました)
by otto-N
| 2018-02-23 10:10
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Comments(2)
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fushiginomori at 2018-02-25 14:29
シジミチョウ好きにはたまらない写真ばかりですが、特にトラフシジミは感動的です!!
幽玄といった言葉が似合いそうな深いブルー、よく見ると後翅のオレンジの点がとても可愛いですね。 トラフシジミの魅力、改めて教えて頂いた気がします。
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otto-N
at 2018-02-25 20:07
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fushiginomoriさん、コメントありがとうございます。
ここのトラフ夏型は一度撮り損ねてから毎年通うようになり、出現して開翅する日がわかるようになりました。 ただいつも擦れ個体ばかりなので、やっと撮影できたという感じです(苦節7年)。 トラフのオレンジ斑もですが、メタリックな独特のブルーを縁取るオレンジ(茶色かな?)の縁毛もなかなかいいですよ。
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