たかがヤマト、されどヤマト

2018.10.1 東京・恵比寿 (1)アゲハチョウ   2018.10.10 (記)

2018.10.1
Sビール本社前に行くと萩が満開でウラナミシジミがたかっていた。いつの間にか時期を逸したようで、ほとんどが擦れたメス。角度によって現れる表翅の構造色を撮ろうと悪戦苦闘していた時、アゲハチョウの求愛シーンに何度か遭遇した。今年は黒系アゲハがとても少なく、ナミアゲハばかりが異常に多い。因みに、ここではクロアゲハを少々見ただけで、ナガサキ、モンキ、カラスは一度も見ていない。

まずは1回目。気がついた時は既に舞い上がり始めていた。斑紋から前の個体がオスと判る。
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しばらくメスがオスの後ろをゆっくりと飛んでいたが、2頭が一度舞い上がり下りてきたときには、オスがメスを追いかける形になっていた。この後は遠くへ行ってしまい撮影はできずに終わる。
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そして、2回目の絡み。ブッドレアに吸蜜中の1頭の前に、1頭がやってきてホバリング。吸蜜しているのがメス。ホバリングしているのが斑紋からオス。その後ろにもう1頭が見えるが性は不明。
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オスはメスの前後を飛び回る。それにもう1頭が介入しようとするがすぐいなくなる。最初のオスはメスの周りから離れない。
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吸蜜する花を変えても執拗に絡むオス。
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ついにしつこいオスに耐えきれなかったのか、メスは舞い上がりオスはその後を追う。しかし、カメラの前に来たときには、メスがオスに脚を立て、ストローを伸ばしてオスを追いかけていた。反撃に出たのか、狂おしげにオスを追いかけているのか。
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しかし、カメラで捉えきれなかった数秒後、今度はオスがメス(尾突が1本欠如)を追いかけていた。追いかけの逆転は、オスとメスの駆け引き?
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二度あることは三度ある。キクの花で吸蜜していた1頭の前に1頭がホバリング。撮影し始めた時には吸蜜を止めて伸びた葉の上にとまっていたようだ。1頭の前に回り込みホバリングを始めたのが斑紋からオス。
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以下、同じサイズにトリミングして並べます。
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オスの翅の開閉はまるでメスを誘うようにゆっくりだ。
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前組の6コマ目からこの4コマ目までがとても不思議。オスは翅を閉じ後ろにのけぞったまま。秒8コマとして、0.5秒間このスタイルだったことになる。
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業を煮やしたのか、メスは突然オスに襲いかかり、もつれるように2頭は舞い上がる。
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あわててカメラを上に向けると、2頭ではなく4頭が空中に並んでいた。手が届かなくてピンボケだが、斑紋を画像で調べるとメスは先頭から2頭目。その後ろに2頭が追いかける。
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この1秒後、少し下に降りてきての乱舞。カメラに近づいたのでピンは来たが4頭がうまく入らなかった。けれど、ちょっと迫力があるでしょう。
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ナミアゲハのオスがメスを追いかけて飛んでいる時は求愛飛行に似つかわしいけれど、メスがオスを追いかけているシーンがよく見られ、この時、メスは脚を伸ばしオスを押さえつけようという雰囲気で、しつこいオスに対して反撃に出たのか、オスに誘惑されて激しく発情したのかは定かではない。ナミアゲハのメスの交尾回数は、平均3回ということが筑波大から報告されており、ボロボロのメスだってオスを受け入れることが可能であり、脚を立てて追いかけるメスは激しくオスに求愛しているように思えるが、メスのほうが絶対優位なのでそこまでする必要はなさそう。ただ、少なくても吸蜜中ではなく、産卵中に絡まれた場合はメスが反撃に出たのではと思っている(→★★)。それと、もう一つ。メスがオスの前であろうともオスの後ろであろうとも、絡んだ場合、メスは必ずストローを伸ばして飛んでいる。このストローを伸ばしているメスについてはどこかで読んだことがあり、手持ちの本を調べたところ、海野さんの「蝶蛾記」の23ページに出ておりました。ナガサキアゲハ、シロオビアゲハの写真も載っており、ナミアゲハ(キアゲハも)だけの性質ではないようです。なお、今年の9月5日に撮ったアオスジアゲハの求愛シーンでは、原画を拡大してみましたが、メスはストローを丸めたままで脚をオスに伸ばすこともありませんでした(→★★★)。


と、色々御託をならべましたが、この記事を書き終えた後、突然、閃きました。海野さんの蝶蛾記には、「チョウのメスは、交尾を一生に1回だけしかしないものが多い。それでもオスに誘われたメスは、よくオスの後ろをついていく。アゲハのなかまではそんなとき、メスがかならず口をのばしている。いったいなんのためにそんなことをするのだろう。オスが食べ物に似たにおいでも出して、メスを誘惑しているのだろうか。」と書かれている。アゲハのオスは蜜の匂いような何かをメスの前に振りまき、蜜を吸おうとストローを伸ばし、オスを花と錯覚して脚を伸ばしてとまろうとしているだけの話。決してオスに逆襲しているわけではなく、産卵中でも食欲には勝てないようですね。



by otto-N | 2018-10-10 16:04 | Comments(0)
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