たかがヤマト、されどヤマト | |||||
2021.10.5 (続き) 東一の越からはこんな風景が広がっていた。遠く中ほどに鹿島槍ヶ岳、その左に五竜岳、他が続く。大観望は立山にかかるロープウェイの山頂駅の名前で、ロープウェイの下がタンボ平と言われているようだ。山腹の白い建物が大観望で、赤く染まっている斜面の底にある山麓駅(黒部平駅)を目指して、ここを下った。 9時40分、東一の越を出発。 登山者が少ないのか、あまり整備されておらず、決して歩きやすい登山路ではなかった。ジグザグに下りるわけだが、広大すぎるのか風景はほとんど変わらない。ひたすら、紅葉の中心に向かって下りる。 紅葉の中心部。何度も立ち止まってはシャッターを切るが、どれも似たような感じだった。しかし、きれいだ。 10時20分、やっと中心部に突入。 上を見上げる。 パノラマ合成用に縦構図で流す。急斜面のせいか、立山の岩壁は少ししか写らない。 紅葉の中に入り、隙間から上を撮る。空がきれいだった。 真っ赤なナナカマドの向こうに岩壁がそびえ立つ。 少し下がった場所からパノラマを撮る。もっとワイドに合成したが、画素数が大きすぎて処理できなかった。 この場所からは立山がよく見え、ナナカマドも見事だった。 さらに下る。 もっと下り、また振り返る。 かなり下りて来た。黒部ダムが少し近づく。 斜面ではウラナミシジミが1頭、他にアカタテハが飛んでいるのを見ただけ。オオヒョウタンボクとマユミの実。花はアザミだけだったが撮らず。 ずいぶん開けた場所で、左に折れる。 そこからが、元さえよく見えない藪の中の道に入り込む。積雪が半端ないためか白樺?は根本から横倒しになったものが目立つ。木肌に触れてみると、きめが細かくすべすべでいい感触だった。青い実はサンカヨウか。 11時30分。涸れた沢を渡る。この沢を登るといい紅葉ポイントがありそうだが、ゴロゴロの岩ばかり。登るにはかなり危険だ。 沢を渡ってからも藪漕ぎ状態の道が続く。木が大きいので眺望がきかないが、時おり青空が顔をのぞかせる。 12時、ロープウェイのゴンドラの真下に到着。 そこから道は少しは良くなったが、眺めがいいわけでもない森の道、ただひたすらに下る。ミズナラと思うがまだ青いドングリ、ゴゼンタチバナ、オオカメノキ。花の楽しみはほとんどない。 12時50分、やっと、黒部平駅に到着。立山の左の肩から、斜めに下って来たことになる。 駅の広場で、冷たい林檎ジュースを飲んで生き返る。ナナカマドはたわわに実をつけているが、葉は赤くなく紫色っぽい(たぶん植栽されたもの)、ヨメナ?ノコンギク?、ヤマハハコ。実は、ここからケーブルに乗らず、歩いて黒部湖の畔まで下りるつもりだった。しかし、泊まった室堂山荘のスタッフさんの話では、この先の道はほとんど整備されていないとのこと。これまで以上の藪漕ぎ道のようなので、時間もかかるので、即、止めた。一の越から黒部平駅まで、会った登山者は下り2組、上り1人。かなりマイナーなルートだった。 13時40分、黒部湖着。ダムから見た立山。裏立山と言いたいほど、室堂から見た立山と全く形相が異なる。 上空には大きなレンズ雲。明日から天気は下り坂のようだ。 脚で稼いだ紅葉は、やはり格別だった。一の越から東一の越まで、竜王岳、鬼岳、獅子岳の麓に広がる紅葉は、事前に調べていなかったのでちょっと驚いた。タンボ平に入ってしまうと何も見えなくなったが、東一の越からの見下ろした眺めはすばらしかった。ナナカマドの中に入ってしまうと、斜面が急すぎて立山の岩稜が見にくくなったが、それでも、これぞ山岳紅葉という場所もあった。また、この紅葉のただ中にいるという実感は、他の登山客がいない分、増長もされた。青空に流れる雲も素晴らしかったし、とにかく、1時間登るだけで後は下るだけ、ここまで楽しめる紅葉は少ないと思う。ただ、往路のロープウェイには午後に乗ったが、午前中であれば、タンボ平は逆光にならず、ロープウェイの始発駅からはもっと素晴らしい紅葉が堪能できたに違いない。
by otto-N
| 2021-10-20 18:45
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